2階建て新幹線よ永遠なれ!  E4系が残した遺産と最後のご奉公

■今後の2階建て鉄道車両事情

騒音対策のためロングノーズデザインとなっている前頭部。鼻先には連結器を備える
騒音対策のためロングノーズデザインとなっている前頭部。鼻先には連結器を備える

 新幹線においての2階建て車両の歴史は終了してしまうが、まだまだ在来線には2階建ての車両が存在している。

 首都圏の東海道線や宇都宮線、高崎線、常磐線のこれらの普通列車には、グリーン車の2階建て車両が2両連結されている。通勤時間帯こそ、満席に近くなるものの、気軽に2階席の眺めを体験できる。

 また、他にも寝台特急サンライズ出雲・瀬戸や、瀬戸大橋線を通過するJR四国5000系、定期運行ではないが寝台特急カシオペアなどで2階建て車両に乗ることが可能だ。

 鉄道の2階建てでの大きなメリットは、1列車で運べる人数が多いという点だ。特に、東北、北陸、上越と各地の新幹線が集まってくる大宮〜東京は、非常に過密なダイヤとなっていて、列車の本数をこれ以上増やすことが難しく、2階建ては有効な解決法であった。

 しかし、E4系の大きな車両は、輸送力に特化しており、最高速度は230km/hで、今や320km/hで運転している東北新幹線での運転は難しい。また、2019年に上越新幹線でも、現在の240km/hから275km/hへの速度向上を行い、所要時間の短縮を目指している。

 今後はE7系で車両を統一し、コンセントやWi-Fi、グランクラスといった、時代に沿った快適な車内サービスを目指しているようだ。一方で、首都圏の在来線においては、通勤時間に寿司詰めの車内を避け、座って乗車することができるグリーン車の需要は増加している。

 中央線では、新たに2階建てグリーン車を新造し、既存の車両へ組み込む計画がスタート。ホームの延長工事など準備が進められている。

 2階建てのE4系に乗れなくなるのはとても寂しいが、これもひとつの時代の流れだ。まだまだ、乗れる2階建て車両。たまには2階席に乗って、普段とは少し違う「上から目線」を体験してみてはいかがだろうか?

【画像ギャラリー】ありがとう、いとしのMax!! 1997年デビューの2階建て新幹線がついに引退!!

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