実は思わぬ掘り出し物も!? ディーラーの展示車は買いか

実は思わぬ掘り出し物も!? ディーラーの展示車は買いか

 ディーラーにある展示車や試乗車が購入できるのをご存じだろうか。もちろん全てのクルマが対象ではないが、展示車は新車と、試乗車は中古車と同様に、販売していることがある。

 そこで本稿では、元ディーラー営業マンの筆者が、展示車や試乗車を購入するメリットや、購入時の注意点などを解説していく。展示車・試乗車には、掘り出し物が眠っていることもあるので、購入検討車両の一つにしてみてほしい。

文/佐々木亘
写真/TOYOTA、HONDA、SUZUKI メイン写真:yu_photo – stock.adobe.com

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■そもそも展示車や試乗車を購入するには「タイミング」が重要

展示車や試乗車の販売は人気車の場合は避けられる傾向にある。ユーザー側で判断が難しい場合は思い切って訊いてしまうのも手だ(naraz@AdobeStock)

 自動車ディーラーが管理するクルマは、展示車・試乗車・社用車など種類がある。

 ショールームの展示車は、ナンバー取得前のクルマが多く、一般に販売されている新車と同様に販売される。試乗車は公道を走るため、ナンバー取得が済んでいるクルマだ。登録済で一定の距離を走っているから、販売方法は中古車と同じとなる。

 展示車や試乗車を購入するには、タイミングが重要だ。

 展示車は、ショールームの要となるクルマなだけに、よりタイミングが合わないと購入するのは難しい。

 人気車では、新車の長期納車待ちをしているユーザーを差し置いて、即納車ができる展示車を販売することが、好ましくないという倫理的な要因と、販売店の商売道具を長期にわたって失ってしまうという二つの理由から、販売が見送られる。

 人気車以外の展示車でも、販売時期は限定的だ。ショールームに入って6か月以上経過したころから、完成検査証の有効期限が切れる9か月頃までが、販売時期として多い。

 ユーザーとしては、年に2回の定期点検時に、1回目と2回目で同じクルマがショールームに置いてあれば、「この展示車は販売できる時期に来ている」と考えてもいいだろう。

 試乗車は、ディーラーごとに販売基準を設けている。概ね登録から6か月以上経過したクルマを販売可としているはずだ。試乗車の車検ステッカーが半年前の月であれば商談時期と見ていい。ただし、こちらも人気車は販売を避ける傾向にある。

■展示車や試乗車を購入するメリットは?

 展示車・試乗車ともに、上級のグレードを用意し、オプションも過不足なく装着することが多い。充実した装備のクルマを買いたいと思ったら、展示車・試乗車はピッタリの選択だ。

 購入後、最短の時間で納車されることもメリットだ。新車の場合、クルマを注文し、工場で生産、販売店へ輸送され納車となる。この時間は平均すると90日以上だ。展示車・試乗車では、目の前に完成された新車があり必要な整備をして登録すれば、すぐに乗れる。

 この時間的なメリットは大きい。筆者は、不幸にも事故に遭ってしまい、愛車をなくしてしまった方へ、即納できる試乗車や展示車を提案していた。すぐに替わりのクルマが必要となるユーザーからの人気は高かった。

 クルマの程度が良く、納車までの時間が短いというのが、展示車・試乗車を購入する際の大きなメリットとなる。

 それぞれの価格については、販売店での対応がわかれるので、参考程度にとどめて欲しい。

 試乗車に関しては、同一グレード・同一装備の新車と比べれば割安感はある。ただし、あくまで新車と比べた場合だ。走行距離が短く、程度もいい試乗車は、中古車としては高い。中古車同士で比べた場合に、特別に試乗車がお得とは言い切れないだろう。

 展示車では、購入の際に車両本体価格や装着されているメーカーオプションを注文書に計上する。この点では特にお得になるという要素はない。ただし展示車では、家電量販店などでよく見られる「現品特価」的な概念が存在することがあるのだ。

 具体的には、値引きが多少増える、すでに付帯されている販売店装着オプションをプレゼントするといった契約が行われる傾向がある。

 ただし、展示車であっても、注文する新車と同様の扱いをするお店もあり、売買契約の内容は、その時々やお店によって大きく変わるので注意していただきたい。

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