■展示車や試乗車を購入するメリットは?
展示車・試乗車ともに、上級のグレードを用意し、オプションも過不足なく装着することが多い。充実した装備のクルマを買いたいと思ったら、展示車・試乗車はピッタリの選択だ。
購入後、最短の時間で納車されることもメリットだ。新車の場合、クルマを注文し、工場で生産、販売店へ輸送され納車となる。この時間は平均すると90日以上だ。展示車・試乗車では、目の前に完成された新車があり必要な整備をして登録すれば、すぐに乗れる。
この時間的なメリットは大きい。筆者は、不幸にも事故に遭ってしまい、愛車をなくしてしまった方へ、即納できる試乗車や展示車を提案していた。すぐに替わりのクルマが必要となるユーザーからの人気は高かった。
クルマの程度が良く、納車までの時間が短いというのが、展示車・試乗車を購入する際の大きなメリットとなる。
それぞれの価格については、販売店での対応がわかれるので、参考程度にとどめて欲しい。
試乗車に関しては、同一グレード・同一装備の新車と比べれば割安感はある。ただし、あくまで新車と比べた場合だ。走行距離が短く、程度もいい試乗車は、中古車としては高い。中古車同士で比べた場合に、特別に試乗車がお得とは言い切れないだろう。
展示車では、購入の際に車両本体価格や装着されているメーカーオプションを注文書に計上する。この点では特にお得になるという要素はない。ただし展示車では、家電量販店などでよく見られる「現品特価」的な概念が存在することがあるのだ。
具体的には、値引きが多少増える、すでに付帯されている販売店装着オプションをプレゼントするといった契約が行われる傾向がある。
ただし、展示車であっても、注文する新車と同様の扱いをするお店もあり、売買契約の内容は、その時々やお店によって大きく変わるので注意していただきたい。
■新車とは違う? 同じ? 展示車&試乗車 購入時の注意点
展示車や試乗車を購入する際に、注意する点を紹介していく。
まずは、クルマの状態をしっかりと確認してほしい。販売店に管理されたクルマとはいえ、多くの人が乗り降りし、触っているものである。お店も知らないうちに、傷物になっている可能性は否定できない。車両の外装はもちろん、室内のシートや内装パネル等の状態をチェックし、納得したうえで購入するべきだ。
また、必ずしも最新型のクルマでないこともある。一部改良の場合、展示車や試乗車を変えずに運用することも多い。
つまり、購入者自身は最新のクルマを買ったと思っていても、改良前のモデルという可能性がある。クルマの型式等では判断が付かないので、販売店スタッフへ必ず確認してほしい。車台番号から、製造年月日を確認してもらえば、いつ製造されたクルマか判明するだろう。
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展示車・試乗車は、少々特殊な買い方であるため、知っている人だけが購入検討できる、特別なクルマだ。車検切れ間近など、すぐに納車してほしい事情がある場合には、メリットの大きい買い方であるため、活用方法は広がるだろう。
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