ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは

 多くの人にとって、おそらくは家の次に高価な買い物であろう「クルマ」。

 しかも、購入して終わりではなく、そこからが担当セールスやディーラーを含めたディーラーと本当の付き合いがはじまる。

 ユーザーがひとりの人間であるように、担当セールスやディーラー関係者もそれは同じ。

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
「お客様と永続的に良い関係を築いていきたい」と多くのディーラー関係者が考えている。それはまぎれもない事実だ

 実際にディーラーや自動車販売店に従事する方たちからヒアリングした内容を元に、「ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為」とディーラー関係者が「本気で勘弁してほしい」と感じたというエピソードをご紹介する。

 今回、国産車および輸入車ディーラーの関係者に調査を行ったが、メーカーやブランドを問わず「ユーザーに苦労している点は割と共通している」印象があった(富裕層をメインの顧客としているディーラーはまた事情が異なるようだが、こちらはさらに大変そうだ)。

文/松村透
写真/Adobe Stock

画像ギャラリー】顔で笑って心で泣いて・・・ディーラー関係者の心の声とは?


■もはや「自分はお客だから何をしても許される」という時代ではない

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
ついつい「これくらいなら・・・」といったホンの些細な行為が少しずつエスカレートしていき、最後には悲しい結末が待ち受けているという事態は避けたいものだ

 力関係でいえば、いうまでもなくクルマを販売する側よりもユーザーの方が優位だ。会社員であれば、毎月の給与の何倍かそれ以上の高額商品を購入するだけに当然といえば当然だろう。

 だからといって、何をしても許されるわけではないことは自明の理。

 ・・・と頭ではわかりつつも、ついつい「これくらいなら・・・」といったホンの些細な行為が少しずつエスカレートしていき、最後には「出禁」という結末にならざるを得なかった事例も実際に存在する。

 当然ながら、ユーザーとディーラーとの付き合い方に明確なルールがあるわけでもなく、お互いが暗黙のルールに基づいて行動している。

しかし、その基準はまちまちであり、各々の立場や人間性、相性など、さまざまな要素が複雑にからみあっている。つまり「これくらいは・・・まぁ、問題ないですよね」という、実にあいまいな線引きのうえに成り立っている関係というわけだ。

■実録その1:ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは?

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
美しいショールームレディが飲み物を用意してくれるディーラーがある一方で、セルフサービスの店舗も増えつつある


●1:ディーラーを喫茶店代わりに利用する
 ディーラーに行けばコーヒーやジュースなど、あらゆる種類の飲み物が無料であり、しかもおかわり自由だ。

 スタイル抜群の美人ショールームレディが「お飲み物は何になさいますか?」とていねいに接客してくれるディーラーもあれば、ファミレスのようにドリンクバーが設置され「セルフサービスだけどご自由にどうぞ」というスタイルの店舗もある。

 ほとんどのユーザーは何らかの目的(メンテナンスや修理、ニューモデルの発表など)がなければディーラーに行く機会はないだろう。

 ところが、ごく一部のユーザーは「無料で飲み物が何杯も飲める。しかも何時間いてもタダ」という盲点(?)を利用して、けっこうな頻度でディーラーに来店しているようだ。

 この現状はディーラー関係者にとってユーザーとの付き合い方によって印象はさまざまなようで「ウチはファミレスや喫茶店じゃないんですけどね・・・」と苦笑いするセールスがいる一方で、「ある程度の節度を守っていただければお会いする機会が増えますし、疎遠になるよりはいいですよ」と歓迎ムード寄りのセールスもいた。

 セールスと適度なスパンで談笑しつつ、定期的な代替も欠かさない。これこそ揺るぎない信頼関係を継続して構築できる理想的な関係だろう。

 まとめると、既納客であればある程度は歓迎されるようだが、いつも来店するだけで1度も購入したことがないユーザーは勘弁してほしいという認識は共通しているようだ。

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
土日と祝日は多くのディーラーにとって大事な商機の機会。買う気ゼロの試乗は正直いって・・・なのだ


●2:土・日・祝日に買う気もないのに試乗だけして帰っていく
 気になるニューモデルが発売されたら、実車を見るだけでなく、試乗してみたいと思うのはクルマ好きあれば至極当然な欲求だろう。

 特に、スポーツモデルが発売になった最初の週末は試乗目的のユーザーでショールームの席が空いていないこともあるほどだ。

 さまざまなディーラー関係者の意見を総合すると「ちょっとでも興味があるなら試乗して初めて分かることもあるので基本的には歓迎。ただし、土日祝日は既存のお客様が来店することも多く、対応しきれない可能性があります」とのことだ。

 さらに「ご自身のSNSやYouTubeなどにアップするのが目的で、ディーラーの試乗車で試乗インプレッション・・・これは何ともいいがたいところですが、たまたま酷評されるのを見てしまうとさすがに良い気持ちはしませんよね・・・」と困惑気味に語る。

 それはそうだ。人から借りたクルマを乗り回し、挙げ句、チョイ乗りだけでそのクルマの善し悪し(特に後者の場合)を判断されたらたまったものではないだろう。

 事実、自身のSNSやYouTubeチャンネルなどで「このクルマはハンドリングがイマイチ・・・」といったコメントを鵜呑みにする人もいるだろう。これでは遠回しに営業妨害をしているようなものだ。

 より悪質なケースになると、公道で全開走行してしまうユーザーには注意しているという。慣れないクルマでそんな無謀なことをしたら・・・万一の際、試乗したディーラーに多大な迷惑がかかるだけでは済まない事態に発展しうる。

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多くの場合、カタログはユーザーに無料で配付しているが、ディーラーはメーカーやインポーターから購入していることを認識しておく必要がありそうだ


●3:カタログやノベルティーだけもらって帰る
 ディーラー関係者曰く「カタログやノベルティーのお客様は一目で分かる」という。つまりこういうことだ。来店するなり「試乗したいんですけど」あるいは「DMの封筒を見せる(=ノベルティーください)」等々、あからさまな行動を取るケースが多いという。

 もっとも、ノベルティー目的の場合の来場者は管理顧客(あるいは見込み客)に限定されるので「来店してくれるだけでもありがたい」と好意的に受け止められるようだが、あらゆるディーラーに出入りする「ノベルティーのコレクター」を出禁にしたという話を今回耳にした。

 これはあくまでも邪推だが、コレクターではなく、転売目的の可能性も否めない。その他、カタログについてはコレクション目的であったとしてもさすがに断るかどうか、悩みどころのようだ。

 中学生や高校生の頃、やっとの思いで手に入れた憧れのクルマのカタログ・・・。ボロボロになるまで読み続けたという人がいるかもしれない。

 このカタログ、多くの場合ユーザーには無料で配付しているが、ディーラーはメーカーやインポーターから購入していることを認識しておく必要がありそうだ。

 乱暴ないい方をすれば「ほぼ買う見込みのないユーザーにタダであげる筋合いはない」ということだ。

 しかし、前述のように中学生や高校生にカタログをくださいと頼まれた場合「免許取ったらウチのクルマ買ってね」とプレゼントするケースがある一方で、ドライな対応をするディーラーもあるようだ。

 実はこれ、一生のトラウマになるので(もう、そのメーカーのクルマは一生買わないというレベル)、もしディーラー関係者がこの記事に目を通してくれているとしたら、どうか近未来の見込み客として寛大な対応をお願いしたい。

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契約書にサインした後、値引きやサービスを追加要求してきたケースもあったという


●4:過度な値引き交渉(購入時相見積もりや整備代の値引き)
 最近は少数派になりつつあるようだが、自動車関連の雑誌やインターネット上にある値引き情報を鵜呑みにして「○○万円くらい引けるよね?」と交渉を仕かけてくるユーザーがいるようだ。

 「もちろん限度はありますが、可能な限り値引きは努力しますね」という回答が、模範解答ではなく、今回取材したディーラー関係者たちの共通認識だ。つまり、もともと値引きに応じるスタンスがある相手に対してやる気を削いでいる可能性が高いのだ。

 「あまりに露骨な値引き交渉をしてくるお客様に対しては、いったん奥に引っ込んで上司に交渉したフリをして回避する」という実例も聞くことができた。

 さらには「契約書にサインした後、値引きやサービスを追加要求してきた」ケースもあったようだ。これはもう、完全な後出しじゃんけんだ。

 クルマは契約して終わりではない。納車してからが本当の付き合いのはじまりだ。

 ディーラー側から要注意人物とマークされてしまったら最後、表向きは一応お客様として対応してくれるが、内心では「早く帰って(他メーカーに乗り替えて・・・)」と思われかねないようだ。

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
最近は「オマエよりオレの方がクルマに詳しい」とマウントを取るユーザーが増えているという


●5:クルマの知識でセールスにマウントを取ってくる
 今回の取材を通じて知ったのだが、最近増えているのがこのケースだという。要約すると「オマエよりオレの方がクルマに詳しい」とマウントを取るユーザーが増えているということだ。

 確かに、これまで得た知識や情報、経験値はかなりのものなのだろう。いわゆる「プロ顔負け」というやつだ。

 特定の車種や分野についてはユーザーの方が詳しいことも実際にあるだろう。しかし、メーカーやインポーターが用意する最新かつ専門的なトレーニングを受講し、なおかつ仕事で関わっている人たちにかなうわけがないのだ。

 なかにはネット上の知識やスペシャルショップのいうことを信用して、ディーラーを軽視するユーザーもいるそうだ。それなら自分でメンテナンスしたり、スペシャルショップに入庫すればいいのに、なぜかまた来店してくるという。謎だ。

【実録】ディーラー関係者もかなり困惑? ユーザーがやりがちな7つの迷惑行為とは
自慢の愛車でディーラーに乗り付け、延々話をしていくケースが案外多いようだ。気持ちは分からなくもないが・・・


●6:延々と愛車の自慢話
 誰もがうらやむクルマを所有するユーザーが愛車でディーラーに乗り付け、延々自慢話をしていくケースが案外多いようだ。

 いかに自分の愛車の性能が優れていて、カッコ良くて、高級で・・・誰かに賞賛され、自慢したくなる気持ちは理解できる。

 とあるディーラーのセールス曰く「ある高級車でご来店のお客様。発売されたばかりの最新型だったので、私も初めて見ました。もしかしたらウチのクルマを買ってくれるかもしれない(この種のケースだとほぼないそうだが)ので、お引き取りくださいともいえず、ショールームに響き渡るような大声で3時間も愛車自慢。以来、そのクルマが嫌いになりました」とのこと。無理もない。

 実際に筆者も某ディーラーで目撃したことがある。とあるスーパーカーで乗り付け(お客様駐車場のなかでもいちばん良い場所に停めていた)延々と愛車の自慢をしている恰幅の良い、金無垢のロレックスを左腕にはめたおじさんを。

 最初に見かけた時はスタッフ3人で対応していたが、1人抜け、また1人抜け、最後に残った若手セールスが気の毒で仕方がなかった。筆者より先に来店していて、帰る時にはまだ独演会が続いていたが、トータルで何時間の独演会だったのだろうか。

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Googleに削除依頼をすることは可能だが、Googleのポリシーに違反していると判断され、承認されなければならない。つまり、そう簡単には削除してもらえない確率が高いのだ


●7:Google mapの口コミに言われのない低評価を書き込まれる
 クルマを購入するのも最後は人と人とのやり取りだから、相性がある。どれほどのトップセールスであろうと、ソリが合わないユーザーがいるのは避けられない(もちろん、それをうまく落としどころをつけるのがセールスの役割だろうが、限度がある)。

 「こんな店、2度と来るか!」では終わらず、Google mapの口コミに「こんな店は行かない方がいい」「スタッフの対応が最悪」「オススメしません」・・・といったニュアンスの投稿をされるケースがしばしばあるという。

 Googleに削除依頼をすることは可能だが、Googleのポリシーに違反していると判断され、承認されなければならない。つまり、そう簡単には削除してもらえない確率が高い。

 ディーラーでクルマを購入する際、口コミが気になって事前にチェックする人もいるだろう。高評価ばかりであっても、1つか2つ、ネガティブな口コミがあれば「この店、大丈夫かな」心配になるのは当然だ。

 口コミに書き込むくらいだからよほど頭にきたのだろうが、これから先、半永久的に世界中の人が低評価を下した口コミに目をとおす可能性が高いことを理解したうえで、ユーザー側にも冷静な対応が求められそうだ。

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