残暑もようやく収まり、季節はようやく秋の気配が漂っている。残暑が長かったぶん、短い秋が過ぎれば冬の足音が聞こえてきそうだ。
となれば気になるのが冬のスタッドレスタイヤ。本格的な冬を迎える前に今年のタイヤを選んでおきたいところ。そこで2021年6月に発表されたダンロップの新型スタッドレスタイヤ『WINTER MAXX SJ8+』をご紹介しよう。
文/ベストカー編集部、写真/住友ゴム
■新型スタッドレス『WINTER MAXX SJ8+』登場
ダンロップのスタッドレスタイヤといえば、高い氷上性能と安定したスノーグリップ&操安性能で高い評価を得ている『WINTER MAXX 03』がある。
WINTER MAXX 03はコンパクトカーから大型セダン、ミニバンやスポーティカーなど、あらゆる車種に対応する、幅広い対応力を誇り、全108サイズの中にはSUVに対応するサイズもラインナップされており、もちろん、SUVに装着しても、高いウィンター性能を発揮する。
一方で、よりアクティブにSUVのポテンシャルを求めるユーザーに向けては、車重が重く、また高い車高による重心の高さといったSUVの特性によりマッチさせた専用スタッドレスタイヤとして従来から『WINTER MAXX SJ8』が用意されていた。
山間部など、新雪、深雪での走行が多いユーザーなら、SJ8のほうがタフに走ることができるため、SUVユーザーの高い安心感、信頼感で定評があるスタッドレスタイヤだ。
■定評のパターンデザインは踏襲しながら、最新のナノ凹凸ゴムを採用
2013年の『WINTER MAXX SJ8』市販開始から8年、本年6月に発表された『WINTER MAXX SJ8+』。パッと見たところ、SJ8と変わり映えがしない印象だ。そう、タイヤの顔ともいえるトレッドパターンはSJ8の形状、デザインを踏襲しているのだから、見た目が同じなのは当然なのだ。
左右対称の方向性トレッドパターンを採用するSJ8は、氷、シャーベッド状の雪を掻きだす方向性ラグ溝や、ショルダー部の『MAXXシャープエッジ』によるアイスひっかき性能、さらにセンター部周方向に刻まれた『ダブルイナズマグルーブ』が高い排水性を発揮する。
そう、とても総合性能に優れたトレッドパターンなのだ。
SJ8+は、このトレッドパターンを活かしながら、さらに高いアイス性能を実現するため、最新の『WINTERA MAXX 03』のコンパウンド技術『ナノ凹凸ゴム』を搭載した。
そのポイントとなるのが『MAXXグリップトリガー』。
アイスバーンでタイヤが滑るのは、氷上とタイヤの間に生ずる薄い水の膜。この水膜にタイヤが浮いてしまい、氷上とタイヤトレッド面の密着性が妨げられるためなのだ。
これは、冷凍庫から取り出した氷を指でつまもうとした際、体温で融けた表面の水でツルツル滑って持つことが難しいという経験があると思うが、それと同じ現象だ。
トレッドゴムに配合されたナノレベルの微細な粒子の『MAXXグリップトリガー』は、水と反応することで溶解。これによりトレッドゴム表面に微細な凹凸が出現し、水膜を掻き出すように除去することで、タイヤ表面ゴムがしっかりと氷上面に密着するのだ。
この効果によりSJ8に比べて1.5~2倍の除水スピードを実現している。この『MAXXグリップトリガー』はトレッドゴムにまんべんなく配合されているので、表面が摩耗しても次々と現れ、摩耗時ににも“効き”が長持ちするのも特徴だ。
さらに、低温下でも柔軟性を失わない『液状ファルネセンゴム』が配合されており、微細な凹凸のある氷上面にも柔軟に密着できるため、高いアイスグリップ性能を発揮できるのだ。
皆さんも、冷凍庫内で冷えて、表面が融け出していない氷は、意外と滑らず指先でつまむことが可能だということを、経験上知っているだろう。氷が滑る要因の大部分は水膜なのだ。
これらのトレッドゴム技術によって、SJ8+はSJ8に対して氷上ブレーキ性能が14%(※)向上、氷上コーナリング性能が11%(※)向上している。
※詳しくはDUNLOPのホームページを参照
「SJ8のトレッドパターンは深雪やシャーベッド状の雪などにも対応し、安定したウィンター性能を発揮います。車重が重いSUVの特性にもマッチしているのであえて変更することなく踏襲しました。
このトレッドパターンに最新のナノ凹凸ゴムの技術を搭載し、より高い氷上性能を実現しました」と開発陣は説明する。
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