なぜ世界各国から40系補給部品の要望が集まった?
先述したが、ランクル40の生産期間は1960年から1984年までである。生産終了間際の最終型を使っていても、37年が経過しているわけだから、一般的に考えればほとんどのクルマがスクラップされていてもおかしくない。
それでも、いまだに世界各国の専門ショップやファンクラブ代表から部品を要望する声が数多く集まるのがランクル40のすごさだ。それも2000GTやスープラのように、普段はガレージに置いてあるクルマではなく、現役バリバリで毎日走っているのだから驚きである。
長いものでは61年にもおよぶ期間、世界各国の道なき道をかけ抜けている。数多くのオーナーやランクル40を利用する人々の重要な移動手段として活躍しているのだ。こんなクルマは世界中を探しても、見当たらない。
オールドカー・ビンテージカーは、走るためというよりもその存在を維持するために、修理されることが多い。メーカーも人気のある(もしくは人気のあった)歴史上の大切なクルマだから、何とかして残そうと部品を復刻させることが今まで多かった。
しかし、今回のランクル40に関しては、歴史・文化を保存する意味と同時に、ランクルという世界最強の移動手段を現役で使用しているユーザーのために、部品の復刻を考えているように思う。WEBサイト上にアンケートフォームまで準備し、本当の意味で必要な部品が何なのか、情報を集めてから意味のある復刻にしようとするメーカーの強い思いを感じるのだ。
ランクルが「壊れない・故障しないクルマ」として、これからも支持され続けるためには、その第一歩を作った60年以上前のクルマでも、故障し壊れて走れなくなってはいけないと思う。
ランドクルーザーというクルマは、どの世代のクルマでも安全を約束された走りを見せつけてくれる、動き続けるヘリテージ(遺産)なのである。
【画像ギャラリー】どちらも現役!! 製造から50年以上経ったランクル40系と新型300系を写真で見る(16枚)画像ギャラリー
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