■新型シビックのCVTの出来は?
新型シビックは、1.5Lのガソリンターボエンジン車のみで先に発売され、ハイブリッド車とタイプRは来年からとなる。
ガソリンターボエンジン車にはCVTと6速MTの選択肢がある。しかも今日では、CVTのほうが燃費性能はよくなっている。かつて、自動変速は燃費が悪いとされてきた時代からすると、隔世の感がある。
試乗をしてみると、1300kg台という車両重量の軽さとともに、運転者のアクセル操作や、道路の上り下りなどに対する出力の出方など、エンジンとCVTを協調させる制御により、無暗なエンジン回転の上昇を感じさせず加速とエンジン回転数が調和した、快く、また壮快な運転を新型シビックは味わわせる。
一方、6速MTでは、変速段数を誤ると、ターボチャージャーの過給効果が十分でないエンジン回転数でアクセルを踏み込めば、1.5Lエンジン本来の排気量分の出力しか出ず、加速に物足りなさを覚える場合がある。
もちろんそこでダウンシフト操作を行えばターボ過給の得られる回転数に跳ね上がり、力強い出力が得られる。マニュアル操作を駆使する腕を磨いて運転するという面白みがあるのも事実だ。
それでも2ペダルでの運転でありながら、自動変速であることを意識させないCVT制御の巧みさには驚くばかりである。ハンドルにはパドルシフトがあり、これでマニュアル感覚の運転も楽しめる。
ほかの車種でもCVTを選んで、自動変速だから面白みに欠けたり、エンジン出力の出方に不満を持ったりといった懸念はもはやないのではないか。AT限定免許の人でも、運転の醍醐味を味わえる時代となっている。
国内でも、トルクコンバーター式の自動変速機で、ロックアップ機構の緻密な制御により、壮快な運転を楽しませる車種はある。
しかし、1980年代からCVTを磨き続けてきた日本の部品メーカーや車体メーカーの努力は、単にガラパゴスとかたづけてしまうわけにはいかない成果をもたらしている。
EVの時代まで、トルクコンバーター式とDCTとCVTが、それぞれに持ち味を活かしてエンジン車を支えていくことになるのではないか。
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