■一時停止率増加はJAFの努力と『監視社会』?
このように、今なお7割のクルマが「信号機のない横断歩道」で止まらないわけだが、それでも2019年以降、一時停止率が目に見えて増えてきたのはなぜなのか。
JAFなどがこうして調査を実施し、その結果を公表したり、ドライバーにアンケートを採ったりしながら、「信号機のない横断歩道」におけるクルマの一時停止率の向上をはかってきた影響ももちろんある。
それに加え、最近はドラレコの装着率も高まり、街中に防犯カメラも多く設置されてきて、どこで誰に監視されているかわからなくなり、ルールを守るドライバーが増えてきた面もあるのでは?
通常、横断歩道の手前には、青い横断歩道の標識や、道路上に菱形マークが二つ並ぶ「横断歩道または自転車横断帯あり」の道路標示があるので、これらを見かけたら徐行や停止をする心の準備をしておくようにしたい。
また横断歩道とその手前30メートル以内の場所では、他のクルマを追い越したり追い抜いたりするのも禁止。
さらに横断歩道の手前で停止している車両を追い越すときは、前に出る前に一旦停止することも道路交通法では義務づけている。これも違反者には罰則があるので要注意。
■交通の流れを考えると走り過ぎざるをえない事も
人もクルマも多い都会では、横断歩道のそばに人がいるだけで、徐行や停止をしていたら、たちまちクルマの流れが悪くなるのも事実。信号機のない道で、横断歩道の手前で一時停止をしたら、後ろのクルマに追突されそうになったり、クラクションを鳴らされるようなことだってあるかもしれない。
動いている物体には慣性が働く。慣性は質量と速度に比例するので、歩行者とクルマでは当然クルマの方が慣性は大きい。
少々暴論になるかもしれないが、慣性が大きなものを停止させたり、再発進させるには大きなエネルギーがいることを考えると、『歩行者優先』の精神は尊びたいが、現実的かつ物理的には、慣性の大きい物体の動きを優先し、慣性の小さい物体が止まって待つ方が理にかなっているように思えるがどうだろう。
とはいえ、ルールはルール。現行法で横断歩道での停止を義務づけている以上、地域ごとの事情はあるにせよ、今後全国的により一時停止率が高まる運動を広げていくのが肝要だ。
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