一般道を走っていると、信号機のない横断歩道が設置されている場所がある。いわゆる住宅街に限らず、往来の多い直線道路に設置されているケースもあり、前走車について走っていると、ついつい停車せずに通り過ぎてしまうこともあるだろう。だがこれは一時停止義務違反にあたる。
JAFが行った調査では、信号機のない横断歩道で停止するクルマは年々増えているという。その実態をレポートしよう。
文/藤田竜太、写真/JAF、AdobeStock
■年々増えているルール遵守車 しかしその割合は……
10月18日に、JAFが2016年から全国で行なっている「信号機のない横断歩道」における歩行者優先についての実態調査の結果が公開された。
調査は8月11日~8月30日にかけて、各都道府県で2箇所、全国合計94箇所において、信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両8,281台を対象に実施。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は2,534台(30.6%)で過去最高となった。
調査を始めた2016年の全国平均は7.6%。2017年は8.5%、2018年は8.6%と一桁台が続いていたのに、2019年は17.1%、昨年2020年は21.3%と、年々増加しているというのは好ましい傾向。
しかしながら、いまだに約7割のクルマが止まらないという現実がある……。
法律的には、横断歩道があるところで、横断歩行者がいる場合、一時停止は義務になっている。
『横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない』道路交通法 第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)
違反者には下記のペナルティが科せられる。
・反則金:普通車 9000円
・違反点数:2点
それでも信号機がなければ、歩行者が横断歩道を渡ろうとしても止まるクルマはほとんどない。
ちなみに、全国で一時停止率が最も高かったのは長野県。2016年の調査開始から連続トップを更新しているが、今回の調査では85.2%と過去最高を記録。2位が静岡県で63.8%。あとは山梨県が51.9%、石川県が50.7%と続く。
ワーストは岡山県の10.3%。東京都が12.1%で、青森県も14.0%と低い。それでも、2016年の調査開始以来、一時停止率が一桁台の都道府県はなくなったというのは注目できる。
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