日本車最後の良心か? スイフトスポーツがクルマ好きの至宝であるワケ

日本車最後の良心か? スイフトスポーツがクルマ好きの至宝であるワケ

 今、1台目を持っているユーザーが本気で自分用として乗るのに最適と思われるクルマが現行スイフトスポーツ。歴代で初めてターボエンジンを搭載し、その走りはユーザーたちからも非常に評価が高いうえに、それでいて新車価格は6MT車で201万7400円と、なんともユーザーフレンドリーな価格設定となっている。

 軽ミドシップスポーツであるS660のベースグレードとほぼ同等の価格で、かつてのボーイズレーサーとしての走りを味わえるスイフトスポーツだが、今クルマ好きが選ぶべきその価値と理由について国沢光宏氏が熱く語る!

文/国沢光宏写真/ベストカー編集部、スズキ

【画像ギャラリー】走りのコスパナンバーワン! ZC33S型スイフトスポーツの装備と走りを写真でチェック!!(14枚)画像ギャラリー

■今のクルマ界で奇跡のような存在、それがスイフトスポーツ!

 スイフトスポーツというクルマ、今の自動車産業では奇跡のような存在だと思う。スズキ車に厳しい私も、スイフトスポーツを見ると二輪や船外機で世界TOPと互角にバトルしている企業のポテンシャルを感じます。すでに発売から4年経つモデルながら、改めてジックリ紹介&分析してみたい。ある意味、日本の良心かと。

2017年に登場したZC33S型4代目スイフトスポーツ。先代よりワイドトレッド化で3ナンバーになりエンジンもターボ化され、よりスポーティになった

 スイフトスポーツで最も「凄いですね!」と思うのが「ほぼ」フル装備にもかかわらず201万7400円という価格だ。参考になりそうなライバルの価格を挙げておくと、3気筒1500ccのヤリスZは188万8800円。N-ONEの6MTで199万9800円となる。1400ccターボエンジンを積むスイフトスポーツの価格、すでにお買い得感絶大。

 エンジンから見ていこう。専用開発となる1371ccの4気筒ターボ。驚くことに直噴だったりする! スズキからすればスイフトスポーツって日産のGT-Rであり、ホンダならNSXに相当する。直噴を採用したかったんだろう。カタログ上の最高出力こそ140ps/230Nmで突出したスペックじゃないものの、この数値、燃費などを意識したもの。

現行ZC33S型に搭載される1.4L直列4気筒ターボエンジン。最高出力140ps、最大トルク23.4kgmで先代のNAエンジンからターボ化とハイオク化で大幅なトルクアップを果たしている

 スズキのスポーツエンジンって伝統的に余力を持たせている。例えば7万7000円で買えるHKSのロムチューンを施すだけで(OBD2端子からECUを上書きする)、160ps/275Nmになるから素晴らしい。275Nmといえば2.8L級のターボなしエンジンと同等のトルクだ。この仕様に乗ったけれど、もはやスポーツモデルと言っていい。

■最高のエンジンとサスペンション

 なんせスイフトスポーツの車重、970kgしかない。ヤリスは車重1000kgで120ps/145Nmだから、トルクなんか倍である。乗り比べたら圧倒的なパワー差に衝撃を受けるほど。もちろんノーマルの140psだって充分スポーティ(エンジン補強なしで230psくらい出せるそうな)。このエンジンだけで競合車より30万~40万円高くても納得できる。

現行ZC33S型に搭載されるK14C型の1.4L直列4気筒ターボエンジン。最大トルク23.4kgm/2500-3500rpmと低回転からグイグイ加速する

 足回りも頑張ってます。「いいね!」したいのが欧州仕様と共通メーカーとなるテネコのダンパーを採用していること。これまたコスト最優先のスズキとは思えない選択だと感心しきり。KYBなんかよりずっと高いですから。効果は抜群! 誰でも普通の日本車と明らかに違う乗り心地と、コーナーでの粘りがわかると思う。

 改めて書いておくけれど、私はスズキのクルマ作りに対して厳しい。ネット記事の場合、褒めると「ステマだ」と言われるが、そう思うならご自由に。でも、スイフトスポーツのクルマ作りは日本自動車業界7不思議のひとつだと考える。あのスズキがコストアップを承知で直噴エンジンやテネコのダンパー使っているなんて信じられないほど。

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