走れば走るほど快適になる!? ATはドライバーのクセを学習している

■もはやSFの世界!? 学習しているのはATだけではない

AI技術が導入されているのはシフトまわりだけではない。電子制御されている部分の多くに学習機能が備わっている(metamorworks@Adobe Stock)
AI技術が導入されているのはシフトまわりだけではない。電子制御されている部分の多くに学習機能が備わっている(metamorworks@Adobe Stock)

 もうひとつ「最近、どうも変速ショックが大きくなってきた気がする」といった人も、ATの学習機能をリセットすることで解消する場合があるので、試してみるといいかもしれない。

 そして、マフラーをスポーツタイプに交換したり、エアクリーナーを高効率のものに交換したりして、エンジンの出力向上につながるようなチューニング(ライトなチューンを含む)を行なったときも、学習機能のリセットを行なうことで、よりフィーリングがよくなる可能性もある。

 リセットしたあとの再学習にもコツがあって、スポーティーな走りを望む人は、リセットした直後から、積極的に高回転域を連続使用すると、シフトスケジュールもスポーティーなモードが優先的に選ばれやすいといわれている。

 とくにそうしたこだわりがない人は、リセット後もいつもと同じような走りを続けていればOK。それだけでコンピュータが一番燃費によくて、変速ショックが少なく、排ガスがきれいになるマップを選んでくれることだろう。

 ちなみにクルマの学習機能は、ATだけに限らない。エンジンの空燃比や点火時期なども、O2センサーやその他の各種センサーからのデータを元に、ECUが補正、最適化する「フィードバック制御」も学習機能のひとつだし、電子制御スロットルにも学習機能を使っている。

(例:経年劣化で、スロットルボディが汚れ、アイドリングが下がりそうになるのを、ECUの学習機能で補正し、アイドリングを一定に保つ)

 細かくいえば、パワーウインドやバックモニター、カーナビなどの設定などにも学習機能があるので、バッテリー交換の際は、そうしたリセットしたくないデータまで初期化しないようバックアップ電源をつないだり、専用のスキャンツールを使うなどして気をつけよう。

【画像ギャラリー】クルマに詳しいドライバーと、ドライバーに詳しいクルマ……AI内蔵のクルマは賢いぞ!!(5枚)画像ギャラリー

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