日産の「新顔」採用!! AT多段化で燃費と静粛性も改善
今回のマイナーチェンジのポイントのひとつは、エクステリアの変更だ。フロントグリルをナバラやフロンティアといった、日産の海外向けSUVが採用を始めた「インターロックグリル」へと刷新、フロントバンパーも変更し、グリルに付いたNISSANロゴも新形状となった。
ボディカラーも3色を追加。雪原を想起させる「ピュアホワイトパール」、漆黒の夜空をイメージした「ミッドナイトブラック」、アウトドアシーンで存在感が光る「ステルスグレー」の新色を加え、全8色のラインアップとした。また、特別塗装色にはスクラッチシールドを採用している。
インテリアも小改良されている。メーターには、視認性、操作性を大幅に向上した新型のファインビジョンメーター(5インチTFTディスプレイ付)を採用。ステアリングは新形状のD型ステアリングホイールを採用し、シートトリムは生地を刷新するなど、質感も大幅に向上させている。
スカイラインなどにも採用されている長時間ドライブでの疲労を軽減する「スパイナルサポート機能付きシート」も全車標準装備。なお、運転席と助手席のシートバックとクッションには、シートヒーターも装備した。
また、インテリジェントエマージェンシーブレーキを全車標準採用したことで、全車がサポカーS(ワイド)の対象となった。さらに、「インテリジェントルームミラー」をEXグレード以上に標準装備、「インテリジェントアラウンドビューモニター」(EXグレード以上に標準装備)の機能性も向上させている。
そして、大きめの変更ポイントが、トランスミッションが5速ATから7速ATに多段化し、燃費と高速走行中の静粛性が改善したことだ。WLTCモード燃費は8.3km/L、マニュアルシフトモードも追加された。
ライバルのハイエースの6速ATに対して、ギアは増えたが、ハイエースの燃費は9.3km/Lであり、燃費性能は依然として及ばない状況だ。
現行型キャラバンに求められるのは「軽量化」
2012年6月の登場から、9年が経過したキャラバン。ライバルのハイエースも、現行モデルの登場は2004年と、現時点で17年が過ぎている。どちらも長寿ではあるが、小改良によって商品力が維持されており、安定して売れ続けている。
年間で平均5万km以上も走る、この手の「働くクルマ」に求められる要素は、「積載能力」、「壊れてもすぐに直せること」、そして「車両価格」だ。乗り心地や音振にはある程度目をつぶり、その他の長所で選ぶクルマなので、あえて豪華けんらんにする必要はない(アフターパーツでカスタムする方は多くいる)。
そうした点で現行キャラバンをみていくと、キャラバンはやはり、「燃費」が弱点だ。ただ、一般的な乗用車のように、ハイブリッドやe-POWER、高度なクリーンディーゼルエンジンなど、パワートレインの変更で燃費向上を目指すのでは、上記の「働くクルマに求められる要素」が失われてしまう。キャラバンには、「軽量化」によって燃費向上を目指す、ということが求められる。
基本骨格をいじって合理的な軽量化設計をするとなると、大変更が必要だが、未来永劫、この手の「働くクルマ」への需要はなくなるはずがない。早めに手をうって、ハイエースとの差を埋める必要があるのではないだろうか。
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