天然なのか、あるいは確信犯なのか。ある一定の割合で「ほほう…これはこれは…」と生唾を飲み込みながら出迎えたくなるようなデザインのクルマが世に現われる。
それをクルマ好きは天の恵として受け入れる。「ケッタイなカタチのクルマ」は世知辛い世の中の清涼剤。愛さずにいられないじゃないか!
※本稿は2021年10月のものです
文/ベストカー編集部 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年11月10日号
■ケッタイなカタチへの愛が止まらない!
審美眼、いやそんな大げさに言わなくても、好みというのは千差万別。モノでもクルマでも「カッコいい!」と感激する人がいれば、「イマイチじゃね?」とスルーしてしまう人もいる。
しかし、好きか嫌いかは別として「なんかちょっとヘンだよね」と思ってしまうカタチは存在していて、その認識は万人に共通しているのではないだろうか。
重要なのは「好きか嫌いかは別として」であり、そこは好みの領域だが、絶対値としてのヘンかヘンじゃないかの区分けは存在するのだ。
なぜヘンなデザインの工業製品が生まれてしまうのか。その問いに完璧に答えることは難しい。おかしなデザインをする人がいて、それを途中で止めない人がいて、最後に認めてしまう人がいる。
この奇跡のトライアングルが「ケッタイなカタチのクルマ」を生み出すのだとすれば、私たちはその僥倖に巡り合えたことに感謝するほかなく、余計な理由づけや分析は必要ない。ただただ「ケッタイなカタチのクルマ」を鑑賞できる幸せを噛みしめるしかないのだ。
ここで高らかに宣言しよう。「ケッタイなカタチのクルマ」は国の財産だ。愛の踏み間違いが止まらない!
●ケッタイ度:★★★★☆
■日産 マーチBOX 〜本物のブサカワ〜
マーチのリアオーバーハングを伸ばしてワゴンにしたら、とってもヒョーキンなクルマになりました! この取って付けたみたいなお尻がとってもカワイイ!
これが本物のブサカワってやつでしょうか? ボディ前半はまんま2代目マーチなんだけど、ボディが長くデカくなったことで、短足感も飛躍的に向上しているのがイイネ!
●ケッタイ度:★★★★
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