本場アメリカのイベントを現地取材してわかった空冷VWの魔力

■楽しみ方はオーナーの数だけある。それがVW

 今回のカーショーでも多種多様な空冷VWを見ることができましたが、その楽しみ方(スタイル)は、まさに「オーナーの数だけある」といっても過言ではありません。

 例えば、空冷VWの代表的なカスタムスタイルである「Cal Look(キャルルック)」は、日本でも、これに関する専門の本が出版されるほど奥深いものなので簡単には説明できませんが、ここ本場のカリフォルニアでも、いまだに進化し続けているというのだから驚きです。

乾燥したカリフォルニアではサビの進行が遅く、いい感じのヤレ感がとても自然体で絵になる。またあえてサビを再現したラストスタイルも楽しみ方のひとつだ
乾燥したカリフォルニアではサビの進行が遅く、いい感じのヤレ感がとても自然体で絵になる。またあえてサビを再現したラストスタイルも楽しみ方のひとつだ
ディスプレイも完璧なキャルルックのスリーパーは、狭いリアエンジンスペースにどデカいターボタービンを搭載。いったい何馬力出てるのだろうか
ディスプレイも完璧なキャルルックのスリーパーは、狭いリアエンジンスペースにどデカいターボタービンを搭載。いったい何馬力出てるのだろうか
ワイルドな出で立ちのバハスタイルも本場カリフォルニアでは定番のスタイル。アメリカンV8マッスルカーにも負けない存在感を放っている
ワイルドな出で立ちのバハスタイルも本場カリフォルニアでは定番のスタイル。アメリカンV8マッスルカーにも負けない存在感を放っている
これは珍しいタイプIのストレッチリムジン。エンジンはツインキャブ化しているという。こんなリムジンでパーティーにいくのも楽しそう
これは珍しいタイプIのストレッチリムジン。エンジンはツインキャブ化しているという。こんなリムジンでパーティーにいくのも楽しそう
ビートルをベースにしたバギー仕様もキャルルックのひとつ。LAの海岸線を走りたくなるようなボディカラーのオープンだ
ビートルをベースにしたバギー仕様もキャルルックのひとつ。LAの海岸線を走りたくなるようなボディカラーのオープンだ

 ショーカーをよく見ると、極めてノーマルで程度の良い個体から、リアの狭いエンジンルームに、どデカいターボをぶち込んだスリーパー(外観は普通だがエンジンチューンなどがされている)やホットロッドを模したペイントが施されたビートルなど、ついつい引き寄せられてしまいます。

メッシュのホイールリング以外はほぼノーマルの6V時代のビートル。淡いウグイス色がカリフォルニアの青い空に似合う
メッシュのホイールリング以外はほぼノーマルの6V時代のビートル。淡いウグイス色がカリフォルニアの青い空に似合う
狭いエンジンスペースに押し込まれたターボタービン。さすがにエアコンは入らなかったようだ
狭いエンジンスペースに押し込まれたターボタービン。さすがにエアコンは入らなかったようだ
ホットロッドのような派手なデコレーションとCal Lookお約束のBRMホイールが決まっているビートルカブリオレ
ホットロッドのような派手なデコレーションとCal Lookお約束のBRMホイールが決まっているビートルカブリオレ

 VWはよく「キャンバスのようなクルマだ」と言われます。オーナーは自分のVWをキャンバスに見立て、この世に2つとない絵を描くように自分のスタイルを作り上げる。つまり、オーナーの数だけ、空冷VWスタイルがあると言うことを、本場の空冷VWシーンを見てあらためて思い出しました。

乗りっぱなし感の自然なラストスタイルが決まっているタイプI。クラシックなブラックのカリフォルニアナンバープレートもマニア垂涎のアイテムだ
乗りっぱなし感の自然なラストスタイルが決まっているタイプI。クラシックなブラックのカリフォルニアナンバープレートもマニア垂涎のアイテムだ
カリフォルニアと言えば、海岸線を走るサーフボードを載せたピックアップが絵になるが、アメリアではゴルフIベースのカッコいいキャディを多く見かける
カリフォルニアと言えば、海岸線を走るサーフボードを載せたピックアップが絵になるが、アメリアではゴルフIベースのカッコいいキャディを多く見かける
ジェッタ顔ゴルフIIもヤングタイマーとしてイベントに参加。もう30年も経つのだから貴重なVWだ
ジェッタ顔ゴルフIIもヤングタイマーとしてイベントに参加。もう30年も経つのだから貴重なVWだ

■スワップミートでお宝発見!?

 本場のドラッグレースも迫力満点でしたが、カーショーと並行して行われていたスワップミートも同様に外すことのできない大事なイベント・コンテンツのひとつです。日本でも500台規模の空冷VWイベントが行われ、同様のスワップミートを楽しむことができますが、やはり本場カリフォルニアならではのお宝に巡り合えるかもしれないというワクワク感があります。

 スワップミートでは、細かな部品から大物はクルマそのものまであって、おおよそ何でも揃っています。しかしながら、モノによっては「真贋」を見極める目を養っておかないと、残念なものを掴まされることもあるので気が抜けません。

 また、ここで見られるものはクルマ関係だけでなく、同じ時間を共に歩んできた生活雑貨品やアクセサリーなどもあるので、家族連れでも十分楽しむことができます。ちなみに、筆者の戦利品は、ブルーのカリフォルニアナンバープレートで、「日本から来たんだよ」と言ったら、5ドル値引きしてくれました。

目移りしてしまうほど豊富なアイテムが揃うスワップミート。あれこれ物色して、価格交渉してみるのもスワップミートの楽しみ方のひとつだ。筆者はブルーのカリフォルニアナンバープレートを5ドル値引きしてもらった
目移りしてしまうほど豊富なアイテムが揃うスワップミート。あれこれ物色して、価格交渉してみるのもスワップミートの楽しみ方のひとつだ。筆者はブルーのカリフォルニアナンバープレートを5ドル値引きしてもらった
スワップミートはまさかの掘り出しモノが見つかることもあり、つい探してしまう
スワップミートはまさかの掘り出しモノが見つかることもあり、つい探してしまう
エンジンからミッション、ホイールまでなんでもござれのスワップミートは宝物の宝庫だ
エンジンからミッション、ホイールまでなんでもござれのスワップミートは宝物の宝庫だ
スワップミートは空冷VWが不滅であるかのように多くのスペアパーツを見つけることができる。みんな真剣な眼差しで品定めしていた
スワップミートは空冷VWが不滅であるかのように多くのスペアパーツを見つけることができる。みんな真剣な眼差しで品定めしていた
レストアラーの出店もあって、同ショップが手がけた空冷VWのレストアプロセスを紹介していた
レストアラーの出店もあって、同ショップが手がけた空冷VWのレストアプロセスを紹介していた
なんと、パチンコ台まで売っていた!これだから旧車のスワップミートは楽しい
なんと、パチンコ台まで売っていた!これだから旧車のスワップミートは楽しい

次ページは : ■SEMAショーの空冷VWたち

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