■大胆整形が成功した現行国産車3/レクサスIS
2013年にデビューしたレクサスISは、世界的なセダン不況のあおりをうけ、フルチェンジを断念。2020年11月のビッグマイナーチェンジでビッグ整形を受けた。それはもう整形というより再生と言うべき変貌ぶりで、Aピラー以外は全部新しくなっている。
さすがにシャシーベースが同じなので、基本的なプロポーションは変わっていなが、全身が彫りの深いイケメンに変身。ガイジンっぽい日本人から、本物のハーフになったとでも申しましょうか?
特にカッコいいのは、リアピラーからトランクにかけてのリアのラインだが、顔もかなり変わった。スピンドルグリルはシャープになり、ヘッドライトはより異形化。まゆ毛型のデイライトがヘッドライト上側から下側に移り、大胆さを増している。特徴の強いイケメン顔になったのではないだろうか。
■大胆整形が成功した現行国産車4/デリカD:5
もはや「伝説的」と形容してもいいくらい、大胆整形の大成功例だ。もともとデリカD:5はスタイリッシュだった。2005年の東京モーターショーに出展された「コンセプトD:5」は、月面車的な未来感があり大好評。2007年の市販時には、かなり常識的になってはいたが、決して悪くないデザインだった。
が、三菱自動車の経営状況の悪化により、フルモデルチェンジは延び延びに。そのまま12年間売られ続けた。顔が大きく変わったのは、2019年のこと。またしてもフルチェンジは見送られたが、ビッグマイナーチェンジにともなうダイナミックシールドの採用により、すさまじく大胆に整形されて登場し、多くのクルマ好きを震撼させた。
当初は「あまりにも醜い!」「夢に見るほどコワイ」等、酷評の声ばかり聞こえてきたが、その大胆すぎる整形は、見れば見るほど目を逸らせなくなる魅力を持っていた。今ではこの顔、そんなに怖くないでしょ? 怖いどころかカッコよくないですか?
デリカD:5の販売は、一時はかなり劇的に向上。現在はさすがにそれほどではないけれど、それでも平均して月に1000台以上売れており、三菱の登録車のなかではダントツだ。誕生から14年も経ってるのに(涙)。
■整形前のほうがよかったんじゃないか現行国産車1/ミラージュ
こちらもデリカD:5と同じく、既存モデルにダイナミックシールドを導入したパターンだが、D:5と違って、バンパー形状がほぼそのまま残っているところに、「X」が重ね塗りされている点など、取って付けた感が強い。
もともとコロンと丸みを帯びたフォルムに、優しい顔つきだったところに、あの悪魔的な「X」が入れられたのだ。ランサーにおけるブーレイ顔の気配がかすかに漂っていて、これで目立つより、前の人畜無害顔のほうがよかったかも……という気がしないでもない。
■整形前のほうがよかったんじゃないか現行国産車1/プリウス
2015年に発売された4代目プリウスは、登場時からデザインが大不評。特にフロントフェイスは「なんじゃこりゃ」という声ばかりで、日本国内だけでなく、主力市場たる北米での評判もさんざんだった。販売台数も、発売から2年後には急落。デザインの失敗は確定した。
そこでトヨタは、発売から3年後の2018年、マイチェンにともなうデザイン整形を発表。しかし販売は回復せず、現在に至っている。
私としては、当初のデザインは決して悪くはなかったと思っている。複雑すぎるヘッドライト形状はいまひとつだったが、テールランプの造形をはじめとしたリアビューは未来感満点でステキだった。
マイチェンでは、フロントフェイスやリヤコンビランプが常識的な形状に変更されたが、校則でバリカン刈りされた高校生のようで、どこか痛々しい。販売も回復しなかった。
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