近年はフルモデルチェンジまでのスパンが伸び、マイナーチェンジで劇的にフロントマスクを変えるクルマが存在する。
劇的に変えるのはそうする必要があるからで、モデルライフの中でメーカーのデザインコンセプトが変わったことが理由だったり、販売台数テコ入れのためだったり様々だ。
そんな状況ではあるが、現行国産車で大胆整形後、以前より良くなったクルマと、もしかして前のほうがよかったんじゃないか? というクルマが存在するのではないか。そんな例を、清水草一氏が完全な独断と偏見で4台ずつピックアップ!!
文/清水草一
写真/トヨタ、日産、ホンダ、スバル、三菱、スズキ、ダイハツ、ベストカーweb
■大胆整形が成功した現行国産車1/フォレスター
今年6月のマイナーチェンジで、フロントグリルが大型になり、逆にヘッドライト小型になった。現行フォレスターのデザインは、登場時は「これでフルチェンジ?」と言われるほどキープコンセプトだったが、その代わり弱点もない堅実なものだった。
売れ行きも特に問題なく、今回のマイチェンも、売れてないゆえのテコ入れではない。その割には比較的大胆な顔の整形が入ったという印象だ。
グリルの大型化は「デカグリル」の時流を考えれば、それほど大きくなったわけではないが、枠がブラックアウトされ、精悍さを増している。
逆にヘッドライトは、内側を削減?してシャープ感を演出。上側に残されたデイライト部のイメージが強くなった。
スバルのデザインの方向性は、古典的なカッコよさにあり、今の時代からすると保守的だが、その範囲内で、適度に大胆に化粧直しされて、印象が強くなっている。つまり成功していると見る。
■大胆整形が成功した現行国産車2/ハイラックス
2017年に国内販売が復活したハイラックスだが、2020年8月のマイナーチェンジを受けて、顔のイメージがガラッと変わった。
以前は、ピックアップトラックの文法に則った、ウルトラオーソドックスな顔つきだった。ありきたりな横桟グリルに、妙に両端が跳ね上がった異形ヘッドライト組み合わせは、バランスが悪かった。
しかしマイナーチェンジで、今どきのピックアップトラック顔に変身。グリルは一体化されて面積は約2倍にアップ。分厚いメッキの縁もついて、大幅にオラオラ度がアップした。
ヘッドライト形状は似たようなものだが、グリルの存在感が数段上がったことで、見た目のバランスが断然よくなった。マイチェン整形の成功例だ。
コメント
コメントの使い方