成功するのは少数とはいえ、好きなクルマに乗って喋って有名になっておカネを稼げるなんてうらやましい……。「いつかはクルマ系YouTuberになりたい」と思っている人、多いのでは?
その「楽と苦」の本当のところを探ります。
※本稿は2021年11月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年12月26日号
■人気ユーチューバー『ウナ丼さん』に根掘り葉掘り訊いてみた
クルマ系ユーチューバーの楽しさと苦労を検証するこの企画。登録者数27万人(11月15日現在)を誇る人気チャンネル『ウナ丼 STRUT エンスーCARガイド』を制作している「ウナ丼」さんに取材した。
ウナ丼さんが初めてオリジナルのコンテンツをアップしたのは2017年。思わぬことでユーチューブの可能性を知ることになる。
「東京モーターショーで地味に置かれていたダイハツハイゼットのマイナーチェンジ車を見つけたんです。面白いと思ってライブ配信してみたら、意外と観てくれる人が多くて『こういうクルマも受けるんだ』って驚いたんですよ」(コメントはすべてウナ丼さん)
同じく2017年の東京モーターショーではスズキクロスビーも出展されており、少し編集してアップしたところ、いきなりユーチューブ全体の急上昇ランキングの上位にランクイン。もともとマイナーなクルマが好きだったこともあり、2018年から本格的にユーチューブを始めることになる。
「雑誌やDVDでは部数が見込める企画でなければ成立しませんが、無料のユーチューブならマイナー車でもけっこう観てくれます。だったらその方向で行ってみようと思ったんです」
当時、1980〜90年代のネオクラシックモデルを取り上げる企画はあまりなく、まずはそこを掘り下げることにした。もともとDVD制作に携わっていたから基本は身についていたが、動画制作のスキルは独学。わからないことはネットで調べる方法で続けている。
ウナ丼さんは動画をひとりで制作している。
「手伝ってくれる人が居たら助かるかな? と思うこともありますが、その人に仕事を回すために、定期的に動画を撮らなきゃいけなくなるのもツラいし、僕は編集作業が大好きなので、それは絶対に明け渡したくないんです(笑)」
編集時間は映像の凝り方にもよるが、クルマの動画で1本最低4時間、ウナ丼チャンネルでのもうひとつの人気コンテンツである旅動画であれば、1本最低3日はかかる。
また、クルマの撮影でも試乗中は今どんな背景が映っているかを計算しながら話さなければならない。雑踏のなかでは黙り、キレイな背景の時に一気に喋る。これもまた重要なテクニックなのだ。
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