クロカンとバッテリーEVは相性がいい
クロカンとバッテリーEVの組み合わせ自体は、相性がいい。一般的なモノコックの乗用車の場合、床下に敷き詰めた駆動用バッテリーを事故の衝撃から守るため、バッテリーEVはガソリンモデルに対して強固なボディ剛性とする必要があるが、耐久性が高くて強固なラダーフレームの場合はその必要がないからだ。
重たいボディによる電費の悪さは気になるところだが、車重がある(電費は悪い)分は、大型のバッテリーを積めばよい。ボディサイズは十分に大きいので、大容量バッテリーを積むスペースも多くある。(今回のトヨタの発表の際)コンパクトクルーザーEVのとなりには、ピックアップEVコンセプトが並んでいたが、潤沢な充電インフラが用意されるならば、この手のクロカンEVやピックアップEVはアリだと思う。
2022年は、ピックアップ&クロカンEVが続々と
他の自動車メーカーも、続々と大型のクロカンEVや、ピックアップEVを開発中だ。テスラのサイバートラックは2022年より生産開始、GMもGMCブランドの「ハマーEVピックアップ」を開発中(2020年に発表済)だが、それよりも先に、シボレーブランドのピックアップトラック「シルバラード」に、ブランド初となるEVのグレードを設定する。フォードも、北米でベストセラーカーとなっているフォード「F-150」のEV版、「F-150ライトニング」を2022年から生産開始する。
また、ステランティスグループのJEEPも、バッテリーEVのコンセプトカー「マグニート(Magneto)」を2021年3月に発表している。ラングラーのボディをかぶせたクロカンEVとなる見込みで、モーターは最高出力285ps、最大トルク370Nm(37.6kgm)、これにエンジン搭載車と同じく6速MTを組み合わせている。
課題はオフロード車ユーザーがバッテリーEVを選んでくれるか
このように、2022年は続々とクロカン&ピックアップEVが登場してくるが、現在クロカンやピックアップを乗っているユーザーが、長距離走れるとはいえないこれらのオフロードEVを選んでくれるのか、は未知数。
未舗装路が多く、生活移動のためにオフロード性能が求められるような地方に、充電設備が十分に整っているとは思えないし、ある程度手に入りやすく、チャージにかかる時間も短いガソリンエンジン車である方が、圧倒的に安心できる。その課題をトヨタがどうクリアしてくるのかは、楽しみなところだ。
トヨタは、ハイブリッド車もバッテリーEVも燃料電池も水素燃料エンジンも、カーボンニュートラルを目指して全部やる、と意気込んでいる。トヨタならば、きっとやり遂げてくれるだろう。トヨタの発表をうけて、他の国産メーカーがどう動いてくるか、今後もパワートレイン情勢からは目が離せない。
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