■ヒットしたクルマ その3「スズキ ジムニー」
4代のジムニーのなかで、現行モデルは最もシンプルな四角いフォルムを持つ。フォルムのシンプルさは衝撃的なレベルで、見た瞬間に多くの人々を虜にしてしまった。
日本のみならず、海外でも大ヒットとなり、これまでのジムニーの枠を超え、よりスタンダードな人気を得ている。その要因は、なんといってもデザインにある。極限までシンプルな箱型の勝利である。
より四角くなって成功したモデルの代表は、これら3つだが、一方では、より四角くなったのに失敗したモデルもある。四角くすればいいというものじゃないことを理解するためにも、失敗例を見てみよう。
■失速してしまったクルマ その1「トヨタ カローラルミオン」
ルミオンは、カローラスパシオとカローラランクスの後継モデルとして登場した。ベースは北米向けのサイオンxBで、スパシオやランクスとは関係ないと言えばないが、後継モデルとして見ると、明らかに丸から四角への変身だった。
CMキャッチフレーズも、「ゴツンとルミオン」だったくらいで、初代bBに似たフォルムを持っていた。
が、このルミオン、まったく売れなかった。トヨタとしては、ユーザーの高齢化が激しいカローラシリーズの若返りを図るべく、若者ウケした初代bBの再来を狙ったのだが、完全な不発に終わった。
最大の敗因は、北米向けのサイオンxBがベースだったため、全幅が1760mmの3ナンバーサイズになった点にある。ルミオンが登場した2007年当時は、まだ国内では5ナンバー枠の壁はそれなりに高かったのだ。
■失速してしまったクルマ その2「ダイハツ ミラトコット」
前型はミラココアの名前で売られており、いかにも女性向けの、ぬいぐるみ系デザインだったが、ジェンダー問題やアオリ運転の影響もあってか、女性の嗜好が大きく変化。従来的なカワイイデザインを好むユーザーは、減少の一途をたどっている。
そこでダイハツは、ミラココアの後継モデルを、思い切って四角くっぽく変えた。ついでに車名も変えて「ミラトコット」としたのである。その狙いは、素材感の高いユニセックスなデザインにあった。カワイイから自然体への変化だ。
確かにトコットは、洗いざらしの木綿のワンピースのようなデザインで、非常にシンプルだが、そのシンプルさはどちらかというと「単純」に近いもので、豊かさを感じさせてくれなかった。
四角いデザインと言っても、種類は無限大。ただ四角ければいいというものじゃないんですね。自動車デザイナーの皆様、本当にお疲れ様です! これからも頑張ってください!
【画像ギャラリー】四角のパワーを感じろ!! 箱型になって運命が変わったクルマと箱型に原点回帰したホンダ新型ステップワゴンを見る!!(11枚)画像ギャラリー
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