新型ステップワゴンも四角く原点回帰! 四角くてヒットしたモデルと、四角くなって失敗したモデル5選

新型ステップワゴンも四角く原点回帰! 四角くてヒットしたモデルと、四角くなって失敗したモデル5選

 古典的なクルマ好きの間では、新型ステップワゴンのデザインの評判がすこぶるイイ。超獣顔のヴォクシーとは正反対のシンプルな家電のようなたたずまいに、心が洗われるようだ。まさに箱型への原点回帰。

 まだ発売前ゆえ、ヒットするかどうかは未知数ながら、ヴォクシーに負けない売れ行きを見せてもらいたいと、心の中で祈っている。

 もちろん、ミニバンは基本的にすべて箱型。ヴォクシーだって顔の造作を除けばまったくの箱型だが、ここで言う箱型は、「細部をあまりいじくっていない、シンプルな箱型」と考えていただきたい。

 それを前提に、箱型になってヒットしたクルマたちと、逆に箱型にしたことで失速したクルマたちを回顧してみよう。ちなみに今回は、前型車のないまったくの新型は選考から除外したので念のため。

文/清水草一
写真/HONDA、SUZUKI、TOYOTA、DAIHATSU、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】四角のパワーを感じろ!! 箱型になって運命が変わったクルマと箱型に原点回帰したホンダ新型ステップワゴンを見る!!(11枚)画像ギャラリー

■ヒットしたクルマ その1「日産 2代目キューブ」

日産 2代目キューブ。キューブ(立方体)の名に恥じない四角っぷりだった
日産 2代目キューブ。キューブ(立方体)の名に恥じない四角っぷりだった

 初代キューブは、キュービック(立方体)から名付けられた四角いクルマだったが、その形は、四角いクルマ全盛のいま振り返ると、シンプルな四角とは言えない、かなり歪んだ四角だった。

 ボディ側面の丸みはかなり強かったし、ウエストラインもルーフラインも後ろ上がりのウェッジシェイプで、全体にバランスが悪くて安っぽかった。それが月間販売台数1位になるほどのヒットを記録したのは、安さとスペースユーティリティの高さが主な要因である。

 続く2代目こそが、デザイン的な大傑作。「キューブ」の名に恥じない、美しい立方体だった。真四角なんだけど角Rは丸みを帯び、どこか摩耗したサイコロのようで、見る者をホッとさせてくれた。

 販売台数では初代には及ばなかったが、十分なヒット作だったし、なによりもデザイン的な評価の高さは初代とは異次元。国内専用モデルだったが、その新鮮な四角いカタチは海外でも評価され、「キア・ソウル」のようなフォロワーも生んだ。

■ヒットしたクルマ その2「スズキ スペーシア」

スズキ スペーシア。断面がやや台形で室内が狭く見えた前型にあたるパレットから、断面をより真四角に近づけて広さを強調した
スズキ スペーシア。断面がやや台形で室内が狭く見えた前型にあたるパレットから、断面をより真四角に近づけて広さを強調した

 前型にあたる「パレット」は、前から見ると断面がやや台形。見た目の安定感はあったけれど、どこか痩せたようなイメージで、室内が狭く見えるという欠点があった。見た目の広さ感ではタントにまったくかなわず、スズキにとって痛い敗北になった。

 そこで後継モデルは、車名からして広そうな「スペーシア」に改め、断面をより真四角に近づけて、広さ感を充実させた。狙いは当たってスペーシアの売れ行きはぐんぐん伸び、タントを上回るに至った。四角の勝利である。

 それでもN-BOXにまるで敵わないのは、スペーシアは四角の角がかなり丸められていて、真四角さではN-BOXに負けているからだろうか? どうなのでしょう。

次ページは : ■ヒットしたクルマ その3「スズキ ジムニー」

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