2021年日本一売れた車!! N-BOXが圧倒的に売れ続ける訳と意外な「売れ方」

現行型N-BOXの売れ行き好調の理由とは

2代目N-BOXのエクステリアはキープコンセプトで登場。一方、インテリアや乗り心地、静粛性といった全体的な質感は大きく向上
2代目N-BOXのエクステリアはキープコンセプトで登場。一方、インテリアや乗り心地、静粛性といった全体的な質感は大きく向上

 現行型が好調に売られた理由は、膨大な先代型のユーザーが乗り替えることを考えて開発されたからだ。先代型のユーザーは、外観や内装のデザイン、シートアレンジなどを気に入っているから、基本路線は変更しなかった。

 その代わり内外装の質感、乗り心地や静粛性、安全装備と運転支援機能は大幅に充実させている。2代目N-BOXが大量に販売されることは、開発の過程で分かっていたから、開発と生産に多額のコストを費やした。

 このように開発された現行N-BOXは、先代型からの進化が分かりやすく、先代型のユーザーは「欲しい! 乗り替えたい!」と考えた。そこで前述のとおり、1カ月の届け出台数が2万台を超えるヒット商品になった。

 ここまでN-BOXが好調に売られると、今まで関心の薄かったユーザーも振り向く。販売店では「先代N-BOXのお客様は、以前からホンダ車に乗っている方が多かったが、現行型は顧客層を広げた。先代N-BOXを始めとするホンダ車のお客様に加えて、他社からの乗り替えも増えている」という。

 初代と2代目の連係によってN-BOXは定番商品になり、軽自動車の購買層が幅広く関心を寄せる商品に成長した。

一部改良でさらに安全装備が充実に! 特別仕様車はお買い得か

Nシリーズの登場10周年を記念したN-BOXカスタムの特別仕様車「スタイル+ブラック」
Nシリーズの登場10周年を記念したN-BOXカスタムの特別仕様車「スタイル+ブラック」

 2021年もN-BOXの販売は好調で、前述の18万8940台を届け出したが、同年9月の売れ行きは前年に比べて37%減った。10月はマイナス54%だから、半数以下まで落ち込んだ。

 ここまで売れ行きを下げた理由は、各種のパーツやユニットの供給不足に加えて(半導体はごく一部だ)、N-BOXが2021年12月に一部改良を実施したことも影響している。車両を刷新するために、届け出台数が一時的に大きく減った。

 その代わり改良後の商品力はかなり向上した。全車のパーキングブレーキが、従来の足踏み式から電子制御式に変更され、先行車との車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも進化したからだ。

 従来はクルーズコントロールの作動中に、速度が時速25km未満まで下がると、制御が解除された。そこが改良後は、追従停車した後も継続的に止まっていられる。停車時間が長引いたときは、パーキングブレーキを自動的に作動させるからだ。渋滞追従機能も備わり、クルーズコントロールの快適性が大幅に向上した。

 この改良に伴い、売れ筋のLとカスタムLは1万9800円値上げされた。それでも電子制御式パーキングブレーキの使いやすさと、クルーズコントロールの機能向上を考えれば、従来型よりも少し割安になっている。

 またNシリーズの登場10周年を記念して、特別仕様車のN-BOXカスタムLスタイル+ブラックと、Lターボスタイル+ブラックを加えた。外観はアルミホイールも含めてブラック基調になり、外観をたくましい印象に仕上げた。

 Lスタイル+ブラックの価格は192万9400円だから、カスタムLよりも13万9700円高いが、5万5000円でオプション設定される右側スライドドアの電動機能、アレルクリーンプラスシート、本革巻きのステアリングホイールとシフトノブも加わる。

 これらのプラスされる装備を価格に換算すると7万1000円だから、価格差の13万9700円からこの金額を差し引いた6万8700円が、内外装をカッコ良く変更したことの対価だ。Lターボスタイル+ブラックの場合は、ベースのグレードも装備が充実して上乗せはほとんどないため、カスタムLターボと比べたときの価格アップは6万8200円に収まった。

 この特別仕様車は、色彩などの変更で6万円以上を上乗せしたから、価格が割安とはいえない。それでも内外装が気に入ったなら選ぶ価値はある。

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