■ASEAN主要5カ国の新車販売状況
インドネシアの2021年の新車販売台数は予測を上回り、88万台で主要5カ国のなかでトップとなった。2022年通年の新車販売台数は90万台に達すると予測を示している。
タイの2021年の新車販売台数は前年比4.2%減の76 万台。コロナの落ち込みの反動でプラスが期待されたが、コロナ禍で落ち込んだ前年も割り込んだ。2022年通年のタイの新車販売台数は86万台を見込んでいる。
マレーシアの2021年の新車販売台数は、前年比3.7%減の50万9000台。コロナ以前の販売台数を超えることはできなかった。コロナショック後、感染拡大によって発令された移動制限令に大きく左右される結果となった。
ベトナムの2021年の台数はコロナ以前の2019年の通年(2019年対比マイナス5%)を超えることはできなかったが、前年比3%増の30万5000台だった。
フィリピンの新車販売台数は通年で22万3000台(2020年)、27万台(2021年)でコロナ以前の37万台(2019年)に比べて各々マイナス40%、マイナス27%の大幅減となった。
■各国の政府施策によるさらなる減税に期待!
2022年に向けて自動車生産、販売台数の動向について楽観視はできない。コロナの拡大状況、サプライチェーンの構築、半導体の確保などの長期的な課題もある。が、
・2020年6月以降にマレーシアが行った景気を刺激するために乗用車にかかる10%の売上税に対する減免措置
・2021年にインドネシアが消費喚起のために行った新車購入時の奢侈(しゃし)税減免措置
・ベトナムで行われている国内の自動車生産と販売を促進するための減税措
など、政府による的確なコロナ対応施策と迅速な対応が2022年度以降の新車販売台数を大きく左右するだろう。
<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職し、アセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年より自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し、アセアンプラスコンサルティングにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年よりアセアンからの自動車整備エンジニアを日本企業に紹介する、アセアンカービジネスキャリアを新たに立ち上げた。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員
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