初代生産終了から早17年!! 「R」と「T」で個性を極めたホンダNSXの栄華を知る【いのうえ・こーいちの名車探訪】

初代生産終了から早17年!! 「R」と「T」で個性を極めたホンダNSXの栄華を知る【いのうえ・こーいちの名車探訪】

 二代目ホンダNSXの販売も終了し、なんとも呆気なく終わってしまったその系譜。きっといつか3代目に出会えると信じてやまないが、今回は初代NSXのバリエーションをいのうえ・こーいちさんに振り返ってもらおう。

 すぐにイメージをするタイプRのみならず、GT性能を追いかけたタイプTなど、NSXにはいくつかのバリエーションがあった。

 世界に向けてホンダイムズを広げ、あのアイルトン・セナも開発に携わったといわれるNSX。またこんな名車に出会える日を夢見て歴史を振り返ろう。

文/写真:いのうえ・こーいち(トップ画像=HONDA)

【画像ギャラリー】もちろんNSXにもホンダ『R』の系譜が!! NSXをいのうえ・こーいち氏の写真とイラストで振り返る(6枚)画像ギャラリー

■過激なサーキットスペック「タイプR」の登場

2002年登場のホンダ NSX-R
2002年登場のホンダ NSX-R

 ホンダNSXは本当によくできた、完成度の高い和製スーパーカー。1990年9月、いまを去ること30年前に発売されたのだが、現在の目で見てもぜんぜん旧さを感じさせない。

 それどころが、昨今の吊り目で尖ったクルマばかりを見ていると、われわれがむかしからイメージしていたスーパー・スポーツのイメージにより近い、どこか心和んでしまうような気にさえさせられてしまう。思い返してみれば、それほどの憧れの存在でもありつづけたホンダNSXであった。

 さて、前回その誕生と卓越したスペックを紹介した。こん回は… そうだ、注目の「タイプR」の紹介からスタートしよう。

 デビュウしてから2年あまりを経過した1992年11月にホンダNSX「タイプR」が追加された。クルマ好きにとって「R」という文字は「GT-R」に象徴される通り、レースを意識した高性能モデルを連想させる。

 そのむかし、「軽量化」としてラジオやヒーター(もちろんクーラー、エアコンは最初からなかった)、時計などが省略されたのは1960年代末の「GT-R」(スカイラインね)だが、1990年代のNSXの場合はもっとすごい。

 逆にいうと、それだけ近年のクルマはいろいろ備わっているということだが、列挙してみるとエアコン、オーディオ、トラクション・コントロール、フォグランプといった装備品のほか、遮音材を減らし、ドア・ビームなど一部の部品をアルミ化するなどして、120kgほどの軽量化を実現した。

 これには、アルミ・ホイールのデザイン変更軽量化、バケットシート、ステアリング・ホイールなどをレカロ、MOMOといった既成の軽量パーツに変更したことも含まれている。

 もちろん足周りを強化し、エンジンもより精密にバランス取りをするなど、チューニングアップも抜かりない。

 これを「ピュア・スポーツモデル」と位置づけ、3年間、480台という受注生産で販売をした。

 完成形として誕生した印象の強いホンダNSXだったから、ほとんどチェンジすることなく生産がつづけられたが、1993年2月に助手席エアバック追加など、1994年2月に45/40扁平タイヤがオプション導入されるなどした。

次ページは : ■優雅なタルガトップ「タイプT」の追加

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