ディーラーの洗車はこう頼め!! 手洗い洗車愛好家に捧ぐ ディーラー洗車あれこれ

■時間を確保することが良質な洗車の一歩目

 ディーラーの半年点検は30分、1年点検では60分ほどの時間を取っているが、その中で洗車にかけられる時間は前述のとおり10分程度。まずは、この作業時間の内訳を知ることが重要になる。

 午前11時から半年点検の予約があったと仮定しよう。11時にユーザーが来店し、受付・御用聞きを行って5分程度が経過。車両を動かし、ストールに入れ、書類を確認しながら行う整備の内容と車両の同一性を確認、作業に入る。この時点で11時10分だ。

 リフトで持ち上げエンジンオイルを抜き取る。抜き取っている間に、足回り・下回りの点検を行う。クルマを降ろし、エンジンルームなどの点検を行いながら、新しいオイルを注入し、オイル量を測定。問題が無ければ、洗車に移るが、時刻は11時20分を回っているだろう。

 洗車機にクルマを入れ、スタートスイッチを押す。洗車機が動いている5分程度の時間で事務所へ戻り、整備の記録を付け、書類の手続きを行う。事務手続き終了と同時に、洗車機からクルマが出てくる。残り5分で拭き上げを行い、ユーザーへクルマを引き渡す。これが、最短距離で行われる30分点検コースの全容だ。

整備士の仕事は次々と入っており、洗車にかけられる時間がそもそも少ないのだ(324143543@AdobeStock)
整備士の仕事は次々と入っており、洗車にかけられる時間がそもそも少ないのだ(324143543@AdobeStock)

 整備士には次々に仕事が入っており、同様の作業予定が1日中続く。洗車に時間をかければ、後の作業がどんどんと遅れていくのが分かるだろう。

 ディーラー洗車の品質を上げるために必要なのは、何よりも時間だ。予約の時点で洗車をしっかり行ってほしい旨を伝え、作業時間を長めに確保し、整備士に余裕を持たせなければならない。特に手洗い洗車をお願いする場合は事前に伝えておいたほうが良い。

 また、整備開始時刻のギリギリに、店舗に到着するのも避けたい。予約時刻の10分前にはお店に入っておき受付を行う、確保された時間を整備士が100%使える状態にしておくことが大切である。

 ほとんどのディーラーが洗車機を導入し、洗車機の使用をルーティン(洗車中は事務作業の時間)としている中で、手洗い洗車はイレギュラーな対応となる。洗車機にかけられるのが嫌であれば、事前に手洗いが必要だと伝えること。また、お店から「このお客様は手洗い」と把握されていることが大切だ。(筆者のいたお店では、手洗いオーナーの点検は15分多く予約時間を確保するか、作業人数を1名増やすことがルール化されていた。)

事前に手洗いを希望すれば手洗いで対応をしてもらえる。お店から「このお客様は手洗い」と把握されていることが大切である(428451137@AdobeStock)
事前に手洗いを希望すれば手洗いで対応をしてもらえる。お店から「このお客様は手洗い」と把握されていることが大切である(428451137@AdobeStock)

 ユーザーの想像以上に整備士の仕事は時間に追われている。これを理解し、事前に時間を確保するような予約をとることで、ディーラー洗車の品質は劇的に高くなるはずだ。

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