■ノアを選ぶべき理由がボディカラーに見えた
筆者が感じた選択ポイントの1つに、ボディカラーがある。
ミニバンの車体色はダークトーンが主流で、黒や青系が複数色あり、白が加わる程度だ。ヴォクシーとステップワゴンは、王道のボディカラーが並んでいる。その中でノアには、赤(レッドマイカメタリック)が設定されているのだ。
寒色ばかりのミニバンで、赤を選べるのは嬉しいところ。筆者が赤好きというひいき目はさておき、どのクルマを選ぶかの決め手が、ボディカラーにあるかもしれない。ここには、ノアを選ぶべき理由が、しっかりと見える。
■ノア・ヴォクシーにかけられた数字の魔法
ユーザーが購入車両を選択する際の大きな理由に「価格」が挙げられるだろう。最近では、車両本体価格よりも、ローンの月々支払額を重視する傾向が高くなっている。
こうしたケースでは、残価率の高さが有利に働くことが多い。
ノア・ヴォクシーの残価率は、販売店によって前後するが、概ね3年残価率が60%、5年でも50%程度。例えば、ノアS-ZのHEV(367万円)では、5年後に183万円が据え置かれる。
一方のステップワゴンは、3年50%、5年で35%程度となる。スパーダ(364万1000円)で、5年後の据え置き金額は127万円。ノアとの差は50万円を超える。
ほぼ同金額で同仕様になるノア・ヴォクシーとステップワゴンを選ぶ際に、この据え置き金額の差は大きい。月々の支払い額は、ノア・ヴォクシーが圧倒的に低く(残価設定ローンの場合)、車種選択における十分な決定打となりそうだ。
商品力は甲乙つけがたく、デザインなどもそれぞれの好みになるだろう。ただ、ノア・ヴォクシーは広い選択肢や、買う気にさせる数字の力がある。
納期は、ノア・ヴォクシーが1年程度を見込むが、ステップワゴンは人気のスパーダでも8月には届く(2022年3月1日現在)。現状では早く来るからとステップワゴンを選ぶこともあるとは思うが、こうした状況がいつまで続けられるだろうか。
両車の比較では、まだ決定を下していないユーザーが多く、本格的な勝負が繰り広げられるのは6月以降となりそうだ。ホンダミニバン背水の陣として挑むステップワゴン。スペックではなく魅せ方に工夫を凝らし、ノア・ヴォクシーに強烈なパンチを入れたいところだ。
【画像ギャラリー】2022年上半期にフルモデルチェンジを迎えるトヨタ ノア/ヴォクシーとホンダ ステップワゴン(19枚)画像ギャラリー
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