■バレーノ最大のキモはボディサイズと後席の広さだった
当時スズキディーラーで新車販売員として働いた筆者は、入社して最初に販売したのもこのバレーノであった。価格や装備を考えれば魅力的ではあるものの、最大のキモはスイフトなどの既存モデルとどのように差別化をしてユーザーに進めていくのか? がカギとなった。
スイフトとの最大の違いはボディサイズであり、とくに後席の広さにあった。そのためファミリー層などリアシートの使用頻度が高い方に積極的にオススメをしていく。そして価格の安さを訴求していくカタチとなった。
店舗に訪れるユーザーはバレーノに触れて、後席とラゲッジルームの広さなど使い勝手の良さ、そして低価格であることに対し非常に好意的に受け入れている印象であった。
■安くて装備も超十分なのに何故売れない!? 理由は2つあった
にもかかわらずヒットにつながらなかったのはなぜか? 言わせれば大きく2つの要因があると考える。
インド生産って本当に大丈夫なの? そしてグレードやボディーカラーによっては他のモデルよりも納車まで時間を要してしまうといった不安要素が少なからずあったことを記憶している。
そして内装の質感に対する意見も相当数あった。当時のライバルといえば同社のスイフトやトヨタ ヴィッツ、ホンダ フィットであったが、それらと比べるとダッシュボードやインパネまわりの質感に対して見劣りしてしまうというのも事実であったのだ。
上記のような経緯もあり、バレーノは2020年3月に日本市場で販売終了という結末となった。だが、2022年月にインドで新型バレーノがデビューを果たした。初代モデルよりも若干全長を抑え、コネクテッド機能などを搭載することが明らかとなっている。
現状日本市場へ再参入する予定はないというが、低価格で勝負。あるいはインド市場で初代モデルにラインアップされていたスポーツモデルを導入し、スイフトスポーツの兄貴分といったイメージで勝負するのもアリなのではないか!? どちらにしてもバレーノの展望に期待したい。
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