欧州「ユーロ7」導入間近で超逆風!! エンジン車の生存確率と達成すべき難題

厳しい規制強化と電動化の背景にある課題とは

 それでも、20世紀に花開いたエンジン車への愛着も含め、エンジン車が走れなくなっていく未来に哀愁を覚える人はなお多いだろう。しかし、欧州にはじまり、世界へ広がる規制強化と電動化の背景にあるのは、単に自然環境問題だけではない。一番の課題は、極端な人口増加だ。

 20世紀のはじめ、世界人口は16億人だった。14億人を超えたといわれる中国の人口に日本を加えれば、ほぼそれに近づく。120年前には世界でそれだけの人数しかいなかった。ところがいまは78億人を超えていると、国際連合の人口基金(UNFPA)は報告している。20世紀初頭の4.8倍だ。そして、世界の自動車保有台数は13億台にのぼる。

 20世紀初頭の人間の数(16億人)であれば、今日なおエンジン車を満喫しても支障はないだろう。だが、5倍近い人間が同じようにエンジン車を乗り回せば、当然、環境負荷は高まり、渋滞なども増え、利便性は損なわれていかざるをえない。

 つまり、エンジンへの規制と電動化の動き、そして将来的に脱二酸化炭素を目指さなければならない最大の原因が、生き物のなかで増加を続ける人間の数なのである。

 趣味として旧車などを愛好することに罪はない。だが、大多数の人々が暮らしや仕事のために使うクルマは、一刻も早くEVになるべきだ。人口増という自ら撒いた種への対処であり、それでいて快適に日々を暮らすための知恵だ。

 18世紀の産業革命後、19世紀に栄えた蒸気機関車から、20世紀は新幹線に鉄道の手段は変わった。そして20世紀に花開いた従来とおりの文明ではなく、21世紀のための文明社会を創ることがいま求められている。

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