2022年3月16日に発生した、宮城県と福島県で最大震度6強を観測した地震は、11年前の東日本大震災を強く思い起こさせるものでした。亡くなられた方もおられるとのことで、ご遺族の皆さまと被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
津波注意報が発令された今回の地震。いつでも逃げられるようにと、クルマで一夜を過ごした方もおられたようです。また、感染症対策のため、避難所にいくのをためらう方も多いでしょう。
ただ、車中泊には、心得ておかなければならないポイントがいくつかあります。災害時に車中泊をする際のポイントと、備えておくと安心なグッズについて、ご紹介します。
文/吉川賢一
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「寒さ」と「エコノミークラス症候群」への対策がポイント
車中泊をする際に気を付けてほしいのが「寒さ対策」です。冬はもちろんのこと、春や秋も、場所によっては、夜の気温が一桁以下にまで冷え込むことがあります。
そのため、どうしても車中泊しなければならない場合、最低限必要となるのが人数分の毛布、そして使い捨てカイロのような熱を発するアイテムです。キャンプで使う寝袋があればベター。また「底冷え」を防ぐため、毛布や寝袋の下に敷く保温マットのようなものがあると、より暖かく過ごすことができます。
また、車中泊では、できる限りエンジンは切っておく必要があります。燃料をセーブするという目的の他にも、自車の排ガスが車内へ侵入することによる一酸化炭素中毒を避けるためです。寒かったり暑かったりで、どうしてもカーエアコンを使いたい場合は、一時的にエンジンをかけて止める、を繰り返すようにしてください。雪が積もってる状況であるならばなおさらで、アイドリングをするときには、マフラーの出口付近を雪がふさがないよう、時折取り除く必要があります。
JAFの実験では、クルマがボンネットの上まで雪で埋まった状態でエンジンをかけ、マフラー周辺を除雪せず、運転席の窓を5cmほど開けただけの場合、風がないとCO濃度が「2時間で失神する危険レベル」まで上昇したとのこと。
雪が降っていない状況でも、寝ている間に雪が降る可能性がある状況であるならば、必ずエンジンを切るようにしてください。雪の心配がない場合でも、周囲にエンジンをかけっぱなしにしているクルマが多い状況だと、一酸化炭素中毒のリスクはゼロではないので、注意する必要があります。
また、エコノミークラス症候群にも気を付けないとなりません。ただでさえ狭い車内ですので、食事や水分を充分に採らない状態で、足を動かさずに長時間シートへ座っていると、血行不良が起こり、血の固まり(血栓)が血管中を流れ、肺塞栓などを引き起すリスクがあります。
出来るだけ寝返りがうてるよう、倒したシートの隙間へタオルや服を詰め、足元には荷物などを置いて高さを調節するなどして、なるべくフラットなベッドができるよう、工夫をしましょう。体重を受け止める箇所を分散することで、血流が一か所で止まらないようにすることができます。
また、起きたら水分を取り、適度に歩くというのも、エコノミー症候群の予防になります。服装もスウェットなどの柔らかくリラックスができる姿がいいでしょう。
■ガソリン残量が3分の1、もしくは4分の1を切ったら、満タン補充
クルマは、なにより燃料が重要。燃費向上のために、ギリギリまで燃料が減ってから補給する、という方もいるようですが、いざというときに燃料がないのは死活問題になります。せめて3分の1、もしくは4分の1を切ったら、満タン補充をするようにしてください。燃費は、燃料の重さによる影響程度であれば、運転方法を改善すれば取り戻すことも可能です。バッテリーEVも、できるだけ充電を切らすことがないように心がけたいところです。
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