「どこの」より「どこで」が大切?? 車両保険と自動車保険で間違えないための重要ポイント 3選

補償は相手・自分・自分のクルマの3種類

 難しい印象のある自動車保険の補償内容は、大きく3つに分けて考えよう。

 まずは相手に対する補償(対物・対人賠償責任)、次に自分自身+家族や同乗者に対する補償(人身傷害)、最後に自分自身のクルマに対する補償(車両保険)だ。

 相手に対する補償に関しては、基本的に「無制限」を選びたい。自動車事故を起こした際は被害者に対し、治療関係費用、休業損害、慰謝料、逸失利益、損害賠償といった多数の賠償・支払い義務が生じる可能性があるからだ。

 人身事故での高額賠償で3億~5億円超、物損事故では1億~2億円を超える賠償を認めた判例が存在する。相手への補償額は無制限を選び、万が一に備えておきたい。

 人身傷害は一般的に、3000万~5000万円の範囲で充分だ。加入している生命保険や医療保険などの内容などと見比べながら、自身に対する補償額を決めていくといいだろう。

車両保険は満額で! 補償範囲を見直して保険料を下げるべし

 車両保険は、自動車保険でユーザーが負担する保険料の3割程度を占める補償だ。年間約8万円の自動車保険料が車両保険を抜くだけで4万円代に下がるということも珍しくない。

 加入のぜひに関しては、それぞれの事情にお任せしたいが、自動車ローンを契約しているユーザーには、加入を強く勧める。万一の際に車両が全損となり、ローンだけが残るケースを避けるためだ。

 車両保険の補償金額を下げて加入し、保険料を下げる人もいるが、筆者はこの方法は勧めない。例えば、300万円で購入したクルマに、150万円だけ車両保険を掛けた場合、50%分しか補償されないということになる。修理費用が50万円かかる事故が発生しても、このケースだと車両保険で支払われるのは25万円分だけだ。

 補償金額を引き下げても、年間数千円~1万円程度の保険料の差なので、車両保険に関しては、保険会社指定の金額を変えずに、全額付保するか、全く付保しないかの2択で良い。

 保険料が高すぎるという場合は、フルカバータイプから限定補償(車対車+A)に切り替える、免責金額を上げるなどして、保険料を抑えるといいだろう。

 万が一の備えとなる自動車保険については、加入の際に一定程度の知識が必要だ。不安な場合はプロに任せる、充分な知識があり得意だという人は自分の力で手続きを行い、支払う保険料を下げにいってもいい。まずは加入した保険が、しっかりと保険の役割を果たすことが、何よりも大切なことである。

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