■アルトとヴォクシーハイブリッドの実力は?
アルトはマイルドハイブリッドだから、モーターの駆動力はほとんど体感することはないが、車両重量は710kgと軽い。動力性能にも余裕があるが、アクセルペダルを軽く踏んだだけで、スロットルが大きく開く設定は気になる。パワー不足を隠すための措置だが、不自然で安全性も妨げる。
ボディが軽いから、スタビライザーが付かないが、走行安定性は悪くない。乗り心地は足まわりのコスト低減で硬さを感じるが、タイヤがワゴンRスマイルと共通化されて指定空気圧も280kPaから240kPaへ下がり、先代型よりは上質だ。
ヴォクシーはハイブリッドが第5世代に進化して、先代型以上にモーターの駆動力を実感させる。特にアクセルペダルを30~60%踏んでいる実用域では、加速が力強く滑らかだ。
走行安定性もミニバンでは優れた部類に入り、ステアリングホイールを回し始めた時の反応も正確になった。乗り心地は試乗した17インチタイヤの「S-Z」グレードより16インチの「S-G」が快適だ。
■テストした4車種の実燃費を分析すると?
総合実燃費の1位はアクアで、WLTCモードの96.1%に達した。郊外路も注目され、実燃費は39km/Lだから、36km/LのWLTCモードを上まわる。
またハイブリッドは、減速の少ない高速道路が苦手とされるが、この区間でもアクアの実燃費は、エンジン排気量が小さくボディの軽いアルトよりも優れている。いろいろな使用条件で燃料消費量が抑えられ、幅広いユーザーに推奨できる。アクアの性格に合っている。
総合実燃費の2位はロッキーで、アクアと同じく郊外路でWLTCモードを上まわった。高速道路の実燃費はアクアに負けたが、WLTCモードの達成率は91.2%と高い。郊外路の実燃費達成率も高く、長距離移動の機会の多いユーザーにも適する。
3位はアルト。マイルドハイブリッドだが、高速道路の実燃費は、ロッキーを上まわる25.3km/Lだ。市街地は3位だが、WLTCモードの達成率は90%を超える。アルトは街中を走る機会の多い軽自動車だが、幅広いルートで優れた燃費を達成した。
4位はヴォクシー。車両重量はアクアの1.5倍、アルトの2.4倍で、天井も高いから空気抵抗も大きい。そこも考えると総合実燃費が18.7km/Lなら良好だ。高速道路と郊外路ではWLTCモードの達成率も高く、長距離を移動するミニバンに適する。
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