新型インテグラは日本で売らない!? これでホントにいいのか、ホンダの国内販売戦略!!

■ミドルサイズ車減少。負のスパイラル

 オデッセイはすでに廃止され、インサイトもシビックハイブリッドの投入に合わせて終了する可能性が高い。CR-Vとアコードもサッパリ売れない。

 この販売規模では、1.5Lターボのシビックに、高性能なタイプRとハイブリッドのe:HEVを加えれば、ミドルサイズ以上のセダン&ハッチバックは充分という判断も成り立つ。小さなクルマが販売総数の85%を占める今の国内ホンダにとって、インテグラは日本では不要な海外向けの商品なのだろう。

 ただし、この状態を続けると、シビックを含めて、普通車が「残りの15%」に片付けられる状況が続く。ますますホンダのダウンサイジングが加速する。

 そこでシビックのほかに、ホンダファンの気持ちに刺さるインテグラも設定して、ミドルサイズハッチバックの価値観を多様化させる方法もあるだろう。

■「売れないからやめる」経営判断は芸がない

 ちなみにトヨタの場合、以前は販売系列によって取り扱い車種を分けたが、今では全店が全車を売る。その背景には、販売系列のために用意した姉妹車を廃止することも含まれたが、ヴォクシー&ノアは姉妹車を残した。ノアをミニバンの本流に位置付け、ヴォクシーは個性的なフロントマスクによって、従来とは違うユーザーを獲得するためだ。

 ホンダはスポーティカーのメーカーとして名を馳せたのだから、ヴォクシー&ノアと同じように、シビックとインテグラがあってもいいだろう。互いに似ている間柄でも、車両のコンセプトやセッティングを変えて、共存しながら売れゆきを伸ばす。インテグラは記憶に深く刻まれた車名だから、シビックとの共存も可能だ。

 それなのに過去の実績を生かさないまま長い時間が経過すると、インテグラの車名も、スポーティで楽しかった思い出も薄れてしまう。ホンダのブランドイメージをアップサイジングするためにも、新型インテグラを国内で販売すべきだ。

シビックと兄弟感が強いデザインのこちらはインテグラ中国仕様。「売れないからやめよう」ではなく、「どうやったら売れるのだろうか」という工夫をホンダ経営陣はするべきでは?と筆者
シビックと兄弟感が強いデザインのこちらはインテグラ中国仕様。「売れないからやめよう」ではなく、「どうやったら売れるのだろうか」という工夫をホンダ経営陣はするべきでは?と筆者

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