日本製EVのbZ4Xとソルテラは売れるのか? 売れると日本のEV環境は変わるのか?

■スバルのソルテラは一般販売されるが、その雲行きは怪しそう

KINTOでの展開となるbZ4Xとは異なり、スバルソルテラは一般販売される。実用的なトヨタ車といった出来栄えとなっており、ユーザーに対して強烈にアピールするポイントが薄い点が気になる
KINTOでの展開となるbZ4Xとは異なり、スバルソルテラは一般販売される。実用的なトヨタ車といった出来栄えとなっており、ユーザーに対して強烈にアピールするポイントが薄い点が気になる

 方や、販売すると言われているソルテラの売れゆきやいかに。電気自動車の、いわゆるアーリーアダプター(新しいものを率先して購入する人たち)はリーフを買って相当疲弊している。日産によればリーフからARIYAに乗り替える人も予想していたよりずっと少ないそうな。85万円の補助金が出るとは言え、3~5年後のリセールバリューが読めないソルテラに450万円以上出す人って多くないと思う。

 しかもbZ4Xとソルテラは光り輝く魅力度を持っていないという点で厳しい。開発チームも「実用的な電気自動車を作りました」と言っているとおり、実用車です。豊田章男体制になる前のトヨタ車の如く80点主義の電気自動車なのだった。同じ価格帯のアイオニック5に乗ると、魅力度の差に愕然とするほど。bZ4Xとソルテラにクルマ好きのサイフをこじ開けるパワーはない。

 クルマ好きから興味を持ってもらえないとすれば、割高&実用性でハイブリッド車に勝てない電気自動車に乗る人など少数派だと考えます。何より「スバルらしいか?」と聞かれたら「う~ん!」。尖っていないし、水平対向でもない。アイサイトだってなし。どこがスバルかと聞かれたら、なかなか答えにくい。発売当初は相応の受注を取れると思うが、継続して売れるかどうかは難しいだろう。

■EVの新時代を切り開くのは日産サクラか

日産の新型軽EV、サクラがEVの新時代を切り拓くモデルになる可能性が高い(写真は2019年の東京モーターショーで公開されたコンセプトモデルのIMkコンセプト)
日産の新型軽EV、サクラがEVの新時代を切り拓くモデルになる可能性が高い(写真は2019年の東京モーターショーで公開されたコンセプトモデルのIMkコンセプト)

 ということで、bZ4Xとソルテラに現在の電気自動車を巡る環境を変えるパワーは期待できないと予想している。残念ながら高価だし、クルマとしての魅力を追求していないため華を持っていない実用車だし。数年後はさらに高い性能を持つ電気自動車が出てくることも容易に考えられるだろう。すでに韓国車に代表される新興勢力に勝てていない点も厳しいところ。

 日本の電気自動車の普及開始のきっかけになるとすれば、bZ4X&ソルテラじゃなく、間もなく登場予定の日産サクラ(仮称)と三菱自動車の軽電気自動車になるそうな気がする。補助金を使って180万円を下回る金額を付けてきたらヒットを飛ばすんじゃなかろうか。日本の電気自動車を巡る環境を替えようとするなら、サクラのようなヒット車が3~4車種出てこないと難しい気がします。

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