■新しいジムカーナに向けての元年
今回、AT限定免許で運転できる2輪駆動のP・PN・AE車両で競うJG-10クラスには、山野哲也選手のルノー・アルピーヌA110S、弟の山野直也選手のマクラーレン600LT、新型BRZ、ダイハツコペンなど9台9車種が参戦した。軽自動車から超高級スポーツカーまでが集った、まさに異種格闘技のような状態だ。
そんなJG10クラスだが、今回も王者は速かった。
開幕戦優勝を決めた山野選手にまずは、アルピーヌA110Sの感想を直撃してみると、「めちゃくちゃハンドリングがよくて、サーキットに、ジムカーナにベストマッチなクルマだと証明できました。フランス車が日本で優勝したのは初めてだと思いますし、光栄です」とコメント。
ジムカーナといえば、先ほど紹介した通り、サイドターンやスラロームなどドライバーのテクニックが問われる競技。
AT車のグリップ走行中心になると、その醍醐味がなくなってしまうのではないか? という思いもあったのだが、山野選手はこの点について、
「今、国内生産されているほとんどはAT車です。しかも、AT免許の取得率が高くMT車に乗る人がどんどん少なくなっているのが現状です。
さらに、エレクトリックパーキングブレーキが普及していることから、近い将来ジムカーナからサイドターンが無くなる日もあるのではないかと思っています。スピンターンもヒールアンドトゥーもいらない新しいジムカーナが今回生まれました」と語った。
この先の20年、30年といった将来への競技存続のためにも、ジムカーナへ参加する人の門戸を広げるためにも、今シーズンは大きな意味をもつ元年となりそうだ。ぜひ、皆さんも今シーズンの全日本ジムカーナ選手権に注目してほしい。
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