タイでもカローラクロス大ブーム!! 迎え撃つホンダが投入した意外な車種とは!?

■中韓包囲網が日本車を脅かす?

GWM(長城汽車)ジョリオン。中国車では珍しいHEVとなっている
GWM(長城汽車)ジョリオン。中国車では珍しいHEVとなっている

 BEVでは欧州勢も積極的に市場投入しているが、MG ZS EVの倍以上の価格となり、ターゲットユーザーが確実に異なっている。

 現状ではBEVについては中国で生産して輸入しているとのことだが、2023年からはタイでの現地生産を中国系両ブランドは予定しているとのことなので、日本車にとってはさらに“気になる存在”となっていくようである。

 現状のタイ市場では内燃機関車が販売の中心であり、日本ブランドはその参入の歴史と販売ネットワークなどの差で、販売実績では中国系を寄せ付けない強さを見せているが、現地で話を聞く限りでは確実に中国系が“日本車城”の堀を埋め始めているように見えてならない。

 仮に日本メーカーがBEVのラインナップで巻き返しをはかってきたとしても、今度は価格設定の差が問題となってくるだろう。先日日本国内で正式デビューしたトヨタのクロスオーバーSUVタイプのBEV“bZ4X”の2WDの日本国内価格は600万円。すでにMG ZS EVより220万円ほど高くなっている。

 ただし、業界通は「bZ4XはASEANなど新興国で販売するつもりはないでしょう。あくまで先進国市場向けモデルとなるでしょう」と話してくれた。

 トヨタは2022年3月31日からインドネシアの首都ジャカルタで開催された“IIMS(インドネシア国際モーターショー)2022”において、“キジャン イノーバEVコンセプト”を発表している。“bZ”と名乗っていないところをみると、ASEAN地域でのBEVの展開にはbZ4Xは絡まないように見える。

 とにかく、見た目品質や装備内容、最新トレンドを取り込むスピードでは、すでに中国メーカーの多くは日本メーカーを超えているといっていい状態になっているので、中国車のことを極端に“安かろう、悪かろう”というのは、世界でも日本人ぐらいといっても過言ではない。

 また、現状で話せばタイでも新車の納期遅延は深刻な問題となっている。しかし、中国メーカー車は日本メーカー車に比べると納車は早めとのこと(最新状況では中国国内各地で新型コロナウイルスのパンデミックが発生しているので、とくに現状では中国からの完成車輸入となっているBEVでは今後の行方は不透明)。

 仮に「日本車にはBEVがないし、納期も遅いので」と、たまたま中国メーカー製造のBEVに乗り換えて、「結構いいじゃん」となれば、日本車離れに拍車がかかるかもしれない。

 日本メーカーはタイ市場のこのような、日本メーカーにとっては“そよ風”程度の動きかもしれないが、果たしてリアルタイムでしっかり情報を把握できているのかはおおいに気になるところである。

 現状では8割強という圧倒的販売シェアをタイで持つ日本車であるが、そんなタイでも日本メーカーは着々と追い込まれようとしていると思うことが、考えすぎであって欲しいと願うばかりである。

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