古典ファン必見!! 大阪、奈良、京都を結ぶ観光特急「あをによし」の雅さに感服!!!

■レジェンドが語る「念願のシート」

 今回の「あをによし」に限らず、近鉄の観光特急はどれもラグジュアリーな車内空間を持つ。こだわりの設計だけに気になるのが料金だが、ここにも近鉄の大きな特徴が!

 JRでいうならグリーン車クラスかそれ以上の内装の「あをによし」だが、大阪難波~京都間で運賃960円のほか、特急料金が790円、「あをによし」を利用するためにかかる特別車両料金はなんとたったの210円! つまり、通常の特急料金に210円を足すだけでこの豪華な車内を堪能できちゃうのだ。

 ちなみにツインシートは1名分の利用料金にこども料金の特急、特別車両料金を購入すれば1名利用が可能だ。

 どちらかというと市街地を中心に走る「あをによし」だが、車窓の見どころも点在。中でも生駒山に駆け上がる瓢箪山〜石切付近は眼下に大阪平野が広がり、遠くには大阪の街、そしてあべのハルカスなどがよく見える。また、大和西大寺〜新大宮では平城宮跡が左右に広がり、「まさしく奈良」といった光景が車内から楽しむことができる。

 販売カウンターで用意された品々もこの列車オリジナルのメニューや沿線ゆかりの地ビールなどがラインナップ。特注のビールサーバーから注がれる地ビールはぜひとも味わいたい一品だ。

「気品ある車内をゆっくりと楽しんでいただければ」と語るのは近畿日本鉄道の技術管理部奥山元紀さん。「あをによし」をはじめ、これまで近鉄の数々の車両に携わってきた、近鉄電車の車両のレジェンド的存在の奥山さん。この列車にも随所にこだわりを詰め込んでいる。

「私は大きな窓の車両が好きで、サロンシートについては極力まで大きな窓を採用しました。また、ツインシートの窓向きの座席についてもよりゆったりと過ごしていただけるように、座席角度を30度、45度、60度と細かくテストし、テーブルの大きさ、足元空間の余裕などを何度も検討し、その結果、現在の45度に決定しました。窓に正対するのではなく、若干角度を付けることで車窓を疲れることなく見ていただけるようにしました。」

ご自身念願の窓向きシートに座る、近畿日本鉄道技術管理部の奥山元紀さん
ご自身念願の窓向きシートに座る、近畿日本鉄道技術管理部の奥山元紀さん

 今回のツインシートのように、かねてより窓方向に向いた座席を設置してみたかったと話す奥山さん。しかし、これまでの観光特急ではなかなかその案が採用されなかったが、

「今回は大阪難波〜京都間を走る運用では近鉄奈良駅で列車の進行方向が変わります。どちら方向に列車が進んでいても違和感なく過ごせる座席ということで、念願叶って今回のような窓を向いた座席が採用できました(笑)。」

 と隠れたエピソードも教えてくれた。

 近鉄観光特急『あをによし』は2022年4月29日デビュー。全席指定の観光特急で、乗車にはあらかじめ駅の窓口やインターネット予約サービスで特急券を購入する必要がある。しばらくはチケット確保が困難になるかもしれないが、大阪・奈良・京都に誕生した新たな魅力として、注目したい観光特急だ。

■近鉄「あをによし」公式・予約サイト

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