クルマ側は「クルマの隙間からの歩行者の飛び出し」に注意
これらのデータから歩行者交通死亡事故は、「クルマが夜間に直線の道路を走行中、ぼんやり運転していて、横断歩道ではない場所で、歩行者が対向するクルマの陰から横断してきて、事故に至る」というケースがもっとも多いことがわかる。
制限速度や信号、一時停止などの法令を遵守することは当然のこととして、対向車線に停車中のクルマがいたり渋滞中であった場合、速度を緩めつつ安全確認を十分にしたうえで、(対向車線側から歩行者が飛び出してくることを考えて)少し左寄りを走行しておくと、重大な事故を回避することができると考えられる。また、対向車や前走車がない場合は、道交法で定められている通り、ヘッドライトはハイビームで走行することを遵守してほしい。
クルマは、交通事故の被害者になりやすい歩行者に配慮する必要がある。歩行者が法令違反をしていても、多くの場合、クルマ側の過失も免れない。見通しの悪い場所を走る際には、周囲の安全を十分に確認しながら、走行するようにしなければならない。
クルマの直前直後での横断、信号無視はさけ、夜間は目立つような工夫を
交通弱者とはいえ、歩行者も法令は遵守することが必要だ。クルマ同様、歩行者も信号に従わなければならないことは道交法(第7条)でしっかりと定められているし、ほかにも、歩道がない道路では歩行者は右側通行すること(第10条1項)と定められている。
クルマの直前直後での横断禁止についても、「歩行者は、車両等の直前又は直後で道路を横断してはならない。 ただし、横断歩道によって道路を横断するとき、又は信号機の表示する信号若しくは警察官等の手信号等に従って道路を横断するときは、この限りでない。」と、道交法第13条1項できっちりと明記されており、同2項でも「歩行者は、道路標識等によりその横断が禁止されている道路の部分においては、道路を横断してはならない。」と定められている。
普段、違反をしても切符を切られることのない歩行者だが、このように道交法には歩行者がやってはいけないことが明記されている。歩いているとショートカットをしたくなるし、高齢になるにつれ、歩くのが大変になる、というのもものすごく理解できる。
しかし、自分で安全を確認していたとしても、クルマはどこから出てくるかわからないし、クルマに認識をしてもらえない可能性もある、ということを、知ってほしい。歩行者はクルマがよく見えていても、ドライバーは横断歩道や交差点以外では、歩行者の挙動を見ていないことも多い。
せめて、クルマの直前直後での横断、そして信号無視は避けてほしいし、夜間はできるだけクルマから認識しやすいよう、たとえばスマホのバックライトをつけて手に持ったまま歩くなどをしていただけると、クルマ側は認識しやすくなり、大変ありがたい。
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