おっさんリターンライダー急増中! ダックス GB350 ホーク11……久しぶりに乗るバイクはどれがいい?

■維持費が超安い割に家族みんなで楽しめる、原付二種のホンダDAX125

 まずはAT小型限定普通二輪免許以上があれば乗れる原付二種で、クラッチレスのホンダダックス125から始めてみてはいかがだろうか。昭和レトロ感あふれる愛嬌あるスタイリングだが、LEDヘッドライトやテールランプ、デジタルメーターも含め決して安っぽくはなく、所有する喜びも満たしてくれる。

 ABSもつき、足つきもいいので、後ろに奥様やお子様を乗せて走っても安心感が高く、子供が気に入ってくれて将来バイクの免許を取りたい、なんて言ってくれれば一緒に楽しめて夢のようだ。兄弟車のモンキー125は、二人乗りできない点が惜しい。

ある意味完全に趣味の世界なので、乗って楽しめるのも重要だが所有すること自体の喜びがあったり家族と楽しみを分かち合えるバイクを見つけたい
ある意味完全に趣味の世界なので、乗って楽しめるのも重要だが所有すること自体の喜びがあったり家族と楽しみを分かち合えるバイクを見つけたい

 原付二種は軽自動車税も年間2400円、自賠責も原付同様の2年で8850円。自動車重量税はなし。クルマの任意保険のファミリーバイク特約で保険もカバーできる。高速道路には乗れないが、原付の時速30km制限のフラストレーションからは解放される。

 燃費も時速60kmの一定速度で走った場合55.0km/リットルと、とてつもない数字となっている。ダックスのメーカー希望小売価格は44万円、維持費が本当に安く済むことで、最悪宝の持ち腐れで乗らなくなってしまってもダメージが最小限で済む割には、実際に乗って楽しめる可能性が極めて高い、復活の第一歩にふさわしいバイク。これで通勤したら会社のみんなに驚いてもらえること間違いなし。

■「大人」が乗るからカッコいい、ホンダGB350 S

 もうこのバイクは見た目でビビビ、と来て恋に落ちてしまう感じでいいのでは。丸型ヘッドライト、フロントサスペンションのラバーブーツ、丸みを帯びたフューエルタンクと塊感のある単気筒エンジン、いうお約束のクラシカルなスタイリングの中にも、洗練されたモダンな感覚が見え隠れする一台。

 ノーマルよりもインチダウンされたワイドな17インチタイヤやブラックアウトされたフェンダーとサイレンサー、スマートなLEDウインカー、赤いステッチ入りのスウェード調シートの下に銀色に輝くプレート、そしてその上に目を引く赤いイニシャルS。昔のようにドコドコ言い過ぎない、乾いたエンジン音。

 いい歳したおっさんライダーだけでなく、見る人のテンションも上げてくれる一台だ。

「これカッコよくないですか? こういうバイクで綺麗な乗り方をし、気づかれないぐらいさりげなくカスタマイズするのが大人の余裕を感じさせていいと思います」と筆者
「これカッコよくないですか? こういうバイクで綺麗な乗り方をし、気づかれないぐらいさりげなくカスタマイズするのが大人の余裕を感じさせていいと思います」と筆者

 シート高が800mmと若干高いが、幅がそれほどでもないのでおそらく問題ないはず。こういうバイクで、わきまえた綺麗な乗り方をし、セパハンにして気づかれないぐらいさりげなくカフェスタイルにカスタマイズする、みたいなのが大人の余裕を感じさせていい。

 メーカー希望小売価格は59万4000円。燃費は実燃費に近いWMTCモード値で41.0km/L。年額の軽自動車税は6000円、自動車重量税は1900円。自賠責は2年で9270円。

 任意保険は人によって等級が違うのでなんとも言えないが、ご参考までに20等級の筆者が、1000ccのYZF-R1で対人・対物無制限、搭乗者傷害・人身傷害などしっかりカバーをつけてインターネット損保で36000円ほど。車両保険は付与できない。

■人気のバイクの新古車価格は新車価格を上回るケースも

ホーク3のリバイバルモデル、ホンダホーク11。なんとエンジンが直列2気筒のOHCエンジンだという。(流石に3バルブではないようだ)今年の9月29日に発売予定
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スズキVストローム650はその名の通り、V型エンジンを搭載する。とても扱いやすいアドベンチャーツアラーだから、長距離旅行のお供に最適
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扱いいやすさに優れる本格的スポーツモデルのヤマハYZF-R7。この時代にこの車格、仕様で新車が100万円以下からというのも魅力
扱いいやすさに優れる本格的スポーツモデルのヤマハYZF-R7。この時代にこの車格、仕様で新車が100万円以下からというのも魅力

 まずこれらのバイクから始めて、徐々に慣れてきたころに自分の夢だったバイクにステップアップされてはいかがだろうか。ホンダHAWK11のロケットカウルに身を伏せて潮風を避けながら湘南の海沿いを流しても、スズキのVストローム650に荷物を満載して北海道にソロキャンに出かけても、ヤマハYZF-R7で箱根の坂を軽快に登ってもいい。

トラディショナルなカフェレーサースタイルのカワサキZ900RS(50thアニバーサリー)
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ゆったり乗るのも楽しい空冷1100ccエンジンを搭載するホンダCB1100EX。生産終了はとても残念
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 人気車に関しては、一昔前の「中古のバイクは買い叩かれる」という定説とはやや違った状況になっており、もし万が一やはりバイクを降りる事態となっても大きく損はしない可能性もある。

 例えばカワサキZ900RS 50th Anniversaryなどでは、新古車の買取価格が新車価格の149万6000円を25万〜30万円ほど上まわるとも聞こえてきたり、ホンダCB1100EXも5年落ち2万キロの中古のバイクの乗り出し価格が、直近販売されたファイナルエディションの新車価格と変わらない、という状況となっている。

 ただし、中古バイク買取販売で上場している会社の財務情報を見れば、売上高総利益率つまり粗利は45%、ざっくり言って中古バイクの買取価格は売値のおよそ半分~7割程度であることも念のためお伝えしておく。

 経済的なことももちろん大事だが、リターンライダーにとって一番大切なことは、自分を過信しすぎず、ケガをせずに楽しくバイクに乗ること。これから暑くなるが、万が一に備え、肘や肩だけでなく、胸部にハードプロテクターを装着することを強くお勧めいたします。

ヘルメットの次に大事な胸部の保護。筆者はベルクロファスナーテープをジャケットの内側に貼ってハードプロテクターを使い回しているとのこと。バイク事故の死因は頭部の次に胸部圧迫が上がるので、要チェックだ
ヘルメットの次に大事な胸部の保護。筆者はベルクロファスナーテープをジャケットの内側に貼ってハードプロテクターを使い回しているとのこと。バイク事故の死因は頭部の次に胸部圧迫が上がるので、要チェックだ

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