花粉でクルマが黄色くなる今の季節だが、3月~5月は中国から飛来する黄砂も問題になってくる。粒子が細かく、雨に濡れると固まって、そのまま拭こうとすればボディの塗装を傷だらけにする厄介な存在だ。
そんな花粉や黄砂で汚れた愛車を、傷つけないようにキレイに洗車するのはどうすればいいのか? 今回は花粉&黄砂が付着したクルマの洗車する時のポイントについて解説していきたい。
文/青山尚暉
写真/ベストカー、Adobestock(トップ画像=REDPIXEL@AdobeStock)
■簡単には取れない花粉と黄砂は、高圧洗車機を活用してサヨウナラ!
春はクルマにとっても厄介な季節だ。花粉症の人にとっては大問題、健康を害するほどの花粉被害と戦わなければならない。さらに、これからは大陸から黄砂もやってくる。じつはそのどちらも、クルマのボディの大敵でもあるのだ。
そうした粒子の細かい飛来物がボディに乗ったまま放置し、雨が降れば最悪だ。そのまま粒子が固まって、ボディの美観を損ねるだけでなく、視界の悪化、もっと言えば、それを無暗に触る(拭く)ことでボディ、塗装を傷つけてしまう。
花粉、黄砂ともに気象庁から飛来予報が出ているから、もしシャットアウトしたければ、予報に合わせてボディカバーをつかうか、屋内駐車場に避難するしかない。とはいえ、筆者を含め、そうもできない人も多いはずである。
そこで、花粉や黄砂が付着してしまったボディの洗車方法だが、自宅の水道設備のホースで洗う低圧の洗車は、例えカーシャンプーを併用してもNGだ。
そしてガソリンスタンドの洗車機もマズイ。なぜか。花粉、黄砂は「しつこくこびりつく」性質があり、カーシャンプーを使っても、低圧のホースの水やガソリンスタンドの洗車機ぐらいの水圧では、ホコリのように簡単に洗い流せないからだ。
もし、中途半端に洗い、花粉、黄砂が残ったまま拭き上げたとすれば、ヤスリでボディを擦っているのと同じで、傷をつけてしまうのだ。
■伝授! より良い洗車&拭き取り術
ではどうすればベターか。これはもう、コイン洗車場の高圧の水で、ボディにこびりついた花粉や黄砂を吹き飛ばすように洗うしかない。それもダブル洗車が理想だ。
というのは、ボディ表面の花粉や黄砂を吹き飛ばすことができても、ボディの細部に入り込んだ花粉や黄砂を完全に落とし切れていない可能性がある。もし、拭き上げ中にボディの細部から黄砂を含んだ水気が染み出してきたとすれば、拭き上げる作業がボディの傷付きの原因になってしまう可能性があるから怖い。
よって、1回目の高圧洗車でボディ表面の花粉や黄砂を吹き飛ばすことを重点に洗い、2回目の高圧洗車ではグリルやあらゆる隙間を中心にダブル洗いし、ボディ細部に入り込んだ、とくに黄砂を洗い流すのである。
そして水気の拭き上げだが、吸水タオルや合成セーム革を使うことになるのだが、ボディに押し当て、圧を掛けて拭き上げるのはベストとは言えない。
何度も言うようだが、花粉や黄砂は粒子が細かく、パッと見、付いていないようでも、もしかすると微量に残留しているかも知れない。いや、洗車中に飛来して、洗ったあとのボディに乗っているかも知れないのだ。
これは筆者が普段の洗車でも実践している、1980年代に編み出した洗車後の水気の拭き取り術なのだが、吸水タオルや合成セーム革を大きく広げ、濡れたボディにペタンと置いて、スルスルと引っ張る拭き取り術である。
上からの圧がかからないため、ゴシゴシ力を入れて拭き取るより、ボディへのダメージが少ないというわけだ。
もちろん、1枚の吸水タオルや合成セーム革を使い続けるのもNGだ。水気を拭き上げていくうちに汚れ、もしかすると黄砂の粒子残留物がしつこく残っている可能性もあるから、マメにバケツにたっぷり入れたきれいな水でよくすすぐことが大切だ。
筆者の場合、吸水タオルや合成セーム革はボディ用、ウィンドウ用、タイヤ&ホイール用、戸当たり(ドアの断面やサイドシルなど)用の4枚を使い分けている(ケースにどこどこ用とマジックで書いてある)。
1枚の吸水タオルや合成セーム革でウィンドウを含むボディ全体を拭き上げるなど、とても怖くてできない。
ワックスのかかったボディを拭いた吸水タオルや合成セーム革でウィンドウを拭けばギラギラ視界を誘発する油膜、シリコン被膜の直接原因になってしまうし、ボディと汚れのもっともひどいタイヤ&ホイールを同じ吸水タオルや合成セーム革で拭けば、ボディの傷付きの原因そのものになってしまうのだ。
とはいえ、コイン洗車場での高圧洗車が花粉や黄砂を洗い流すのに適切とは言っても、近所にコイン洗車場がないこともあるだろう。そもそもコイン洗車場は今、激減している(特に都会では)。
でも、花粉や黄砂を吹き飛ばす高圧洗車を諦めなくていい。そう自宅で洗車ができる一軒家の場合は、ケルヒャーといった家庭でも使える高圧洗浄機を使えばいい。ただし、安物は音が大きく、近所迷惑も甚だしい。ちょっと高価でも、いわゆるサイレントタイプのものを選ぶのが正解だ。
しかも、ノズルの交換でボディ細部を狙い撃ちするような高圧洗車も可能。ボディの隅々まで洗い、細部に入り込んだ汚れまで吹き飛ばしておけば、雨のあと、ボディ細部の中から染み出し、垂れてくる汚れた水に紫外線が当たってこびりつく、ボディの美観を台なしにする水垢汚れも未然に防げることになるのである。
いずれにしても、花粉や黄砂がボディに付着したら、面倒がらずに即、対処・洗車が基本。愛車のためにも放置厳禁、である。
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