シビック&ステップワゴンで驚く「力感」の差
次に同じ1.5Lエンジンでもターボ付きの比較だ。
ホンダのステップワゴンとシビックハッチに搭載される1.5L直噴VTECターボエンジン。出力はシビックハッチバックが182ps/6000rpm:220Nm/1700~5500rpm(CVT車)、240Nm/1900~5000rpm(6MT車)。
ここで少し注目なのが6MT仕様よりもCVT仕様の方が20Nmトルクが低いこと。これはCVTのトルク容量に合わせたトルクダウンだろう。そのぶん発生回転数を低くしている。
一方ステップワゴンは150ps/5500rpm:203Nm/1600~5000rpmで車重は1700㎏前後。シビックハッチの車重は1350㎏なので、やはり重く、多人数乗車のキャパシティがあるステップワゴンを低中速重視にセッティングしている。
乗ったフィーリングではステップワゴンは、「ベストカー」のテスト時に、ライバルを圧倒する加速性能を示した。
低中速が力強いが、とにかく高回転域になっても伸びる。そのイメージでシビックハッチに乗ると、もう全域でどんどん加速する。だからシビックハッチは2Lターボかと勘違いするくらいだ。
この2台を乗り比べると、共に優秀だが同じエンジンとは思えないくらいに力感に差がある。
スペックと性能「逆転」のクラウンとレクサス IS
そこで今度はクラウンとレクサスISに搭載される2Lターボエンジンを比較しよう。
新型クラウンに搭載されるのは245ps/5200~5800rpm:350Nm/1650~4400rpm。実はIS300もほぼこの数値と同じ。
若干違うのは245psをクラウンは5200~5800rpmで発生させているのに対してIS300では5800rpmとなっている。
これはグラフのエンジン出力曲線を見てもIS300の5200rpmは245psに達していない。両車共に8速ATを装備しているので、トランスミッションの差でもない。
単にクラウンの方が新しいので、よりブラッシュアップした最新のエンジンが搭載されているのだ。
乗ってみての違いはマニュアルシフトモードで比較するとわかりやすい。クラウンは中低速から高速域まで一定でジェントルな加速に感じるが、IS300は高回転になるにしたがって力が出てくる感触。
車重はIS300が1630㎏、クラウンは1730㎏。約100㎏の差があるのだが、その差以上にIS300の方がパワフルに感じる。
しかし、エンジン性能的には圧倒的にクラウンに搭載されている2.0Lターボの方が賢くパワフル。つまり、賢いエンジンほど実用的で普通に感じるのだ。
ただし、クラウンのプラットフォームはLSを流用しているので、IS300に比べてシャシー性能が優っているおかげで普通に感じるのかもしれないが。
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