ピックアップ実は大人気!? ハイラックスの大成功に他メーカーが追従しないナゼ


 今ハイラックスが超熱い!! 2017年に日本市場を復活してからというもの、堅調なセールスを記録中なのだ。今やGRモデルもラインアップするなど選択肢が多いのも魅力だ。

 ハイラックは東南アジアでも大ヒットしているのだが、実は現地では三菱や日産、いすゞなど国産メーカーも爆裂ヒットを記録しているのだ。そこで疑問なのが、なぜほかのモデルが日本市場に上陸しないのか? という点だ。SUVブームの後押しもアリ、いまこそチャンスな気もするが果たして。

文:工藤貴宏/写真:トヨタ・日産・三菱・いすゞ・フォード・GM/出典:car and driver・marklines


N-BOX以上の売れ行き!! アメリカに続きタイもピックアップトラックが国民車レベル

 日本の常識が世界の常識とは限らない。いや、むしろそうではないことのほうが多いだろう。クルマ関連だって、日本人からすれば初めて聞いた人は「本当に!? うそでしょ?」と耳を疑うようなことだってひとつやふたつではないのだ。

 たとえば販売ランキングナンバーワンのクルマも、国によっては日本人の意表をついてくる。アメリカ合衆国でもっとも売れているクルマがピックアップトラックだと聞いて、驚かない人はどのくらいいるだろうか。

年間70万台以上という驚異的な台数を売り上げるフォードFシリーズ。ハイブリッドはもとより、2ドアなど豊富なラインアップも魅力

 米国の「CAR AND DRIVER」のまとめによると2021年にアメリカ合衆国(以下アメリカ)で最も売れた車はフォード「Fシリーズ」で72万6400台、2番手がRAMピックアップで56万9388台、そして3番手がシボレー「シルバラード」で51万9774台も売れた。トラック以外のモデルで最も売れた車種はランキング4位となるトヨタ「RAV4」だが、その台数は40万7739台。最も売れたピックアップトラックは“もっとも売れた乗用車の1.8倍”も売れたことになるのだから、アメリカというのはとんでもないマーケットだ。ある意味、アメリカの国民車はSUVではなくピックアップトラックなのである。

 実は、そんなアメリカと並んでピックアップトラックが高いシェアを持つ国がある。東南アジアのタイだ。タイでは2021年に66万8520台の車両が販売されたが、そのうち1トンクラスのピックアップトラック(トラックとシャシーを共用するSUVも含む)は35万691台と半分以上を占める(調査会社MarkLines調べ)。年間販売ランキングを見るといすゞ「D-MAX」が13万9232台と首位。2番手トヨタ「ハイラックス」で12万2669台、4位がフォード「レンジャー」、6位に三菱「トライトン」と販売ランキングのトップ10に4台もピックアップトラックが入っているのだから驚くばかりだ。

日本でもハイラックスがじわじわ増加中!! じつはハイエースより売れている!?

2017年に国内復活を果たし、大ヒットとまではいかないが好調な販売台数をキープ!! とくにフロントフェイスの変更や先進安全装備の強化を施したマイチェンも追い風に

 というわけで、ここからが本題である。タイで人気のピックトラップのうち日本で販売している車種はトヨタのハイラックス(タイからの輸入車)だけだ。かつて三菱がトライトンをタイから輸入していたこともあったが、現在は行われていない。「ハイラックスは堅調に売れているのに、どうしてほかのメーカーは続かないのでしょうか?」というのが編集部から今回与えられたお題である。

まずは、日本でのハイラックスの販売状況を見てみよう。

2017年9月に導入し、右肩上がりに推移している。そして2022年3月までに3760台を売り上げるほど好調なのだ!!

 日本仕様が発売されたのは2017年の9月。スタートダッシュこそ鈍いが、2018年以降は販売台数を大きく落とすことなく堅調に売れていることがわかる。

 注目すべきは2021年だ、前年の1.5倍以上となる9960台を販売している。1ナンバーで商用車扱いとなっていることで国産車の新車販売ランキングには含まれないが、もしランキングに入れるのであれば三菱「エクリプスクロス」(8882台)、日産「マーチ」(8819台)、トヨタ「ハイエースワゴン」(8547台※バンは含まず)、ホンダ「シビック」(8520台)よりもラインキング上位となる。

 そして2022年は、3月までのデータでは2021年を超えるペースで売れているのだから、これまた驚きだ。2020年8月にはマイナーチェンジを実施してエクステリアデザインとエンジン&サスペンションの改良が施され、2021年10月にはGR SPORTモデルが追加されたことが人気を押し上げたに違いない。

 こうして販売台数をチェックしてみると、日本市場においては“バカ売れではないが、ニッチ商品としては地道に売れている”ということがわかる。これだけ販売できれば、日本導入が失敗ということはないだろう。トヨタは2020年8月のマイナーチェンジ時に月間目標台数を400台としていたが、それを大きく上回る実績となっている。

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