■松田秀士が選ぶ! 乗って痺れた珠玉の直6エンジンとは!?
そこで過去に筆者が感動した直6エンジンを挙げてみよう。筆者が初めて購入した輸入車がBMW 323i(E30確か1986年ぐらい)。知り合いから購入した中古車だった。
2.3Lの直6エンジンは驚くほどスムーズで。その後、ハイデッガー(リヒテンシュタイン)というF2エンジンチューナーのカムやバルブでチューニングしてアルピナを食うほどのパワーが素晴らしかった。つまりチューニングでパワーアップしても耐えられるエンジンベースだったわけだ。
さらに古い話をいえば、最近何かと話題の日産 フェアレディZ。筆者が学生の頃(1976年頃だ!)、友人が所有していたフェアレディZをエンジンチューニング。2.0LのL20型、しかもこのころはSOHC。鋳鉄製のエンジンブロックだったから重いけれどもパワーチューニングしても頑丈だった。
素晴らしい吹け上がりで、高回転まで気持ちよく回った。しかし、すぐオーバーヒートした。Zのデザインでは大きなラジエーターを装着しても十分に冷却することができなかったんだね。現在ではアルミ製のエンジンブロックに鋳鉄製のシリンダーライナーを入れ軽量化と剛性のバランスをとっている。
しかしメルセデスベンツがSクラスに搭載する直6 3.0LのM256エンジンでは、シリンダー内壁を鉄でコーティングしている。これはF1で培った技術で、ライナーの代わりにコーティングするから薄くでき、これによってボアピッチ(シリンダー相互の距離)を短くでき、結果全長の短い直6エンジンが完成した。
また48Vのマイルドハイブリッドモーターをエンジンと9速ATとの間に採用し、これが発電も行うからオルタネーターさらにはウォーターポンプ、スーパーチャージャーなども48Vモーターで駆動している。これまでにあったベルト駆動を廃止することで、さらにエンジン長を短くでき直6のデメリットである長さを極力抑えているのだ。
実はマツダの直6ディーゼルも8速ATとの間に48Vモーターを仕込んだマイルドハイブリッド。しかもトルコンを廃してクラッチ式とし、変速ショックをリニアにトルクコントロールが可能なモーターで制御している。つまり、現在の技術革新で直6エンジンは生まれ変わりつつあり、ラグジュアリーモデルにはこれからも採用される可能性がある。
話は前後するが、最後にもう1台歴史に残るエンジンを紹介しよう。それは日産 R32型スカイラインGT-Rに搭載されたRB26DETTエンジン。筆者自身当時のN1耐久シリーズで十勝24時間を含め複数戦ドライブしたが、パワーもトルクも素晴らしい直6エンジンだった。
直6エンジンは滑らかな加速だけでなくエンジンブレーキもきめが細かくよく効く。気筒数が増えれば増えるほどエンジンブレーキは繊細になるものなのだけれど、直6はちょうど良いレベル。コーナーへのターンイン(進入)時にアクセルOFFでのスムーズなハンドリングが期待できるのだ。
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