マツダがCX-60でついに直6エンジンを投入で思い出す! 名直6エンジン4選

■松田秀士が選ぶ! 乗って痺れた珠玉の直6エンジンとは!?

 そこで過去に筆者が感動した直6エンジンを挙げてみよう。筆者が初めて購入した輸入車がBMW 323i(E30確か1986年ぐらい)。知り合いから購入した中古車だった。

1982~1994年まで販売されたロングランモデルとなった、2代目となるE30系のBMW 3シリーズ
1982~1994年まで販売されたロングランモデルとなった、2代目となるE30系のBMW 3シリーズ

 2.3Lの直6エンジンは驚くほどスムーズで。その後、ハイデッガー(リヒテンシュタイン)というF2エンジンチューナーのカムやバルブでチューニングしてアルピナを食うほどのパワーが素晴らしかった。つまりチューニングでパワーアップしても耐えられるエンジンベースだったわけだ。

 さらに古い話をいえば、最近何かと話題の日産 フェアレディZ。筆者が学生の頃(1976年頃だ!)、友人が所有していたフェアレディZをエンジンチューニング。2.0LのL20型、しかもこのころはSOHC。鋳鉄製のエンジンブロックだったから重いけれどもパワーチューニングしても頑丈だった。

 素晴らしい吹け上がりで、高回転まで気持ちよく回った。しかし、すぐオーバーヒートした。Zのデザインでは大きなラジエーターを装着しても十分に冷却することができなかったんだね。現在ではアルミ製のエンジンブロックに鋳鉄製のシリンダーライナーを入れ軽量化と剛性のバランスをとっている。

 しかしメルセデスベンツがSクラスに搭載する直6 3.0LのM256エンジンでは、シリンダー内壁を鉄でコーティングしている。これはF1で培った技術で、ライナーの代わりにコーティングするから薄くでき、これによってボアピッチ(シリンダー相互の距離)を短くでき、結果全長の短い直6エンジンが完成した。

 また48Vのマイルドハイブリッドモーターをエンジンと9速ATとの間に採用し、これが発電も行うからオルタネーターさらにはウォーターポンプ、スーパーチャージャーなども48Vモーターで駆動している。これまでにあったベルト駆動を廃止することで、さらにエンジン長を短くでき直6のデメリットである長さを極力抑えているのだ。

 実はマツダの直6ディーゼルも8速ATとの間に48Vモーターを仕込んだマイルドハイブリッド。しかもトルコンを廃してクラッチ式とし、変速ショックをリニアにトルクコントロールが可能なモーターで制御している。つまり、現在の技術革新で直6エンジンは生まれ変わりつつあり、ラグジュアリーモデルにはこれからも採用される可能性がある。

 話は前後するが、最後にもう1台歴史に残るエンジンを紹介しよう。それは日産 R32型スカイラインGT-Rに搭載されたRB26DETTエンジン。筆者自身当時のN1耐久シリーズで十勝24時間を含め複数戦ドライブしたが、パワーもトルクも素晴らしい直6エンジンだった。

GT-Rのファンの高い人気を誇る名車、R32型スカイラインGT-R。搭載する名機・RB26は量産エンジンながらレースやタイムアタックの高負荷にも耐えうる高い耐久性を誇った
GT-Rのファンの高い人気を誇る名車、R32型スカイラインGT-R。搭載する名機・RB26は量産エンジンながらレースやタイムアタックの高負荷にも耐えうる高い耐久性を誇った

 直6エンジンは滑らかな加速だけでなくエンジンブレーキもきめが細かくよく効く。気筒数が増えれば増えるほどエンジンブレーキは繊細になるものなのだけれど、直6はちょうど良いレベル。コーナーへのターンイン(進入)時にアクセルOFFでのスムーズなハンドリングが期待できるのだ。

【画像ギャラリー】あの鼓動をもう一度!! 名直6エンジン搭載車を画像でチェック!(23枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!