■限定車が数多く設定されるモデル
輸入車のケースを見てみると、限定車の設定はモデル末期に限ったことではない。たとえば2021年に大掛かりなマイナーチェンジを行ったばかりで、売れ行きも好調なMINIから「Brick Lane Edition(ブリック・レーン・エディション)」というモデルが数量限定で7月から販売されている。クーパーの3ドアが限定180台、5ドアが限定300台、さらにクラブマンにも限定180台という設定となっている。
ちなみにMINIは、過去にもピカデリー・エディションとか、ジョンクーパーワークスGP、パディ・ホプカーク エディション、アイスブルーいった限定車をリリースしている。限定数は多くても400台ほどとあって、いずれも希少価値が高く中古車市場における相場は高値を維持している。
MINIよりもさらに限定車を多くリリースしているのがフィアット500だ。2007年に日本導入以降、年に数回限定車を発売しており、その数は80車種以上とされている。500の個性をさらに際出せるアイテムをプラスしたモデルだけでなく、DIESELやGUCCIといったファッションブランドとコラボするなど、じつにバラエティに富んでいる。
MINIやフィアットに限らず、輸入車を選ぶ時点でオーナーはクルマに対して何らかのこだわりを強く持っている傾向が強い。国産車でもスポーツモデルでは、そういった嗜好が当てはまる。そのうえ限定車となれば、他の人と差別化したいという欲求を確実に満たしてくれるわけで、メーカーもそういった心理をついてより個性的で、希少価値の高さを訴求できる車種をラインアップに加えていると推察できる。
MINIやフィアットに限らず、過去に取り上げた車種など含め、いずれの限定車も希少であるという点は共通しており、もしディーラーへ足を運んだタイミングで限定車が販売されているようなら一考の価値は大いにある。
購入時に注意が必要なのは、プラスされている特別な装備や仕様がニーズにあっているかという点。当然、装備が増えているから標準仕様よりも車両価格が高く設定されている。限定車のなかには、その価格が限定というプレミア感だけで相殺される? と疑問を抱くクルマもあるし、自分は満足できても家族が納得しないということだって大いにありえる。
まぁ、そこで反対されれば、なおのこと”心理的リアクタンス”が作用するわけだが、クルマ購入というのは一生モノとは言わないまでも気軽にポンポンと買えるものではないのだから、希少価値、装備と価格のバランス、リセールバリューなど、さまざまな要素を吟味することが賢明と言えるだろう。
もちろん、数や機関に限りがあるから、検討は迅速かつ冷静に行うのがキモ。その先にはきっと、「人と違うって素晴らしい!」という(自己)満足感が待っているはずだ。
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