EU全土に及ぶエネルギー問題
ロシアは4月27日、ポーランドとブルガリアへの天然ガスの供給停止を発表した。これに対して5月8日には、G7(主要7カ国)の首脳陣は、ロシア産原油の輸入を禁止する方針を表明。すると同12日にロシアは、ドイツに天然ガスを供給するための「ヤマル欧州パイプライン」の閉鎖を発表した。このパイプラインはベラルーシ、ポーランドを経てドイツに通じている。
ドイツのロシア産エネルギーへの依存率は、ロシアがウクライナに侵攻する以前は原油35%、天然ガスは55%、石炭50%と、非常に高いレベルにあった。それを約1カ月間で、原油25%、天然ガスは40%、石炭25%へ大幅に引き下げている。
原油を他の国からの輸入にシフトするにはコストがかかる。G7の方針によって、それを0%にする必要も出てきた。天然ガスは夏までには24%まで下げる予定だったが、それを待たずして今回、主要なパイプラインが突如閉鎖された。今、ドイツはコストが大幅に上昇する以上のエネルギー不足に陥る状況にある。
こうした状況下で生産されるドイツ車は、今後のさらなるコストアップが不可避。当然ながら日本に輸出される車両価格にもそれは反映される。こうした状況下において、ドイツは自動車製造業だけでなく、経済全体に大きなダメージを受ける可能性さえある。
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