マフラーの排ガス触媒に使用されるパラジウム、プラチナ、ロジウムなどは、エンジンから排出される有害物質を吸着し、無害化する役目を果たしている
シリンダーヘッドをはじめ、自動車に多用されるアルミニウム。その生産量はロシアが世界第2位。日本も大量のアルミニウム塊をロシアから購入している
輸入量は少ないが、ロシアが生産輸出するレアメタルは半導体の製造などにも必要不可欠。その供給減が懸念されている
ウクライナ戦争は日本メーカーにも直接的影響を与えている。ウクライナトヨタはラインをすべて停止。また、ウラジオストクに製造工場持つマツダは日本からの部品供給を停止した
ロシアの輸出禁止が進めばパーツだけではなく、工作機械にも影響する。切削工具などに使用される工業用ダイヤモンドの生産量はロシアが世界1位、バナジウムは世界2位だ
ロシアが生産するアルミニウム、マグネシウム、ニッケルなどの流通が停滞すれば、あらゆる自動車パーツの生産供給に影響が出るだろう
欧州メーカーはウクライナ製ケーブルの供給不足に直面。また、配線コードやプラスチックパーツの難燃助剤として使用されるアンチモンはロシアの生産量が世界2位。その供給停止も懸念されている
ロシアはポーランド、ブルガリア、ドイツへの主な天然ガスのパイプラインを閉鎖。その代替エネルギーを確保するためにはコスト増が避けられず、エネルギー不足も懸念される。それは製品価格、供給量にも影響するだろう
執筆時点(5月14日)での全国のレギュラー平均価格は166.3円。ガソリン価格はあらゆる原油製品の価格のバロメーターとも言える。いったいどこまで上昇するのか
日本以上にウクライナ戦争の影響を受けているEU、特にドイツ。その余波は製品価格だけでなく、国家経済そのものに及ぶ可能性もある