シビックはライバル車比で割高感伴う
セダンと同様、ミドルサイズハッチバックも、競争の穏やかなカテゴリーだ。3ナンバー車になることもあり、コンパクトカーに比べて売れ行きが鈍く、価格は高まりやすい。
特にホンダ シビックのハッチバックは、国内生産のセダンと違って英国製の輸入車で、1.5Lターボエンジンを搭載して280万440円になる。
1.5Lターボの動力性能は、自然吸気のノーマルエンジンに換算すると2.2~2.4Lと同等だ。装備は緊急自動ブレーキを作動できるホンダセンシング、LEDヘッドランプ、18インチアルミホイールなどを標準装着するが、ライバル車に比べると割高感が伴う。
アクセラスポーツの1.5Lクリーンディーゼルターボを搭載する「15 XDプロアクティブ」は、スマートブレーキサポートやレーダークルーズコントロール、18インチアルミホイールなどをオプション装着しても約254万円に収まる。
シビックの価格は中途半端で、割高に思えてしまう。
エクリプスクロスは値下げが人気SUV対抗の鍵
エクリプスクロスの価格を日産 エクストレイルと比べると、おおむねバランスが取れる。しかし、エクリプスクロスの全長は4405mmと短く、トヨタ C-HR(全長は4360mm)と同程度。そう考えると少し割高になる。
エクリプスクロスの「4WD・G」の価格は292万2480円だ。これに相当するC-HRは1.2Lターボの「4WD・SーT・LEDパッケージ」で、価格は254万400円に収まる。
エクリプスクロスのエンジンは1.5Lターボで、動力性能は2.4Lのノーマルエンジンと同等だ。
C-HRの1.2Lターボは1.8L並みだから、エクリプスクロスが高くて当然ともいえるが、割安とはいい難い。
売れ筋の「4WD・G」を23万円ぼど値下げして269万円にすると、C-HRに対抗できて、エクストレイルやスバルフォレスターと比べた時の買い得感も強まる。
ロードスターを若者に訴求するなら「もう少し安く」
現行ロードスターは、ソフトトップのエンジン排気量を先代型の2Lから1.5Lに縮小した。しかし、機能や装備と価格のバランスを先代型と比較すると、むしろ値上げされている。
ビルシュタイン製ショックアブソーバーなどを装着した「RS」は325万6200円だ。装備の違いはあるが、先代RSに比べて50万円高い。トヨタ 86「GTリミテッド」の318万3840円(6速MT)とほぼ同額になる。
しかし86とは性能の差が大きく、単純に最高出力で見ると、ロードスターは132馬力、86は207馬力(6速MT)だ。
またロードスターでは、価格が最も安いソフトトップの「S」でも255万4200円になる。もう少し安くしないと、若年層の車好きを増やすことはできない。
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本稿で紹介したCX-3やシビック、エクリプスクロス等のデビュー(改良)時、概ね高い評価を伝えるメディアが目立ったのは、まさに「モノは良い」からだろう。ハード面を評価すれば、これらのモデルは良い車だ。
ただし、それは適切な値付けあってのこと。冒頭で渡辺氏が指摘するように、海外を主戦場とする車種の価格は、国内の事情で決められない事情も理解できるが、実力ある国産車だからこそ、日本のユーザーに寄り添った今後の値段設定に期待したい。
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