【荷室比較】アウトドア派はルーミーか!? ソリオの積載性も見事
荷室はどうか。開口部地上高はルーミーが527mm、ソリオは660mm。重い荷物の出し入れ性ではルーミーが有利だ。荷室フロアのサイズはルーミーがフロア奥行き500~740mm(後席スライド位置による)、幅1035mm、天井高1530mm。
一方、ソリオはフロア奥行き440~605mm(後席スライド位置による)、幅1030mm、天井高1530mm。幅、高さ方向ともに両車ほぼ同一。奥行きのみルーミーがリードする。
また、ルーミーには荷室に多機能デッキボードが備わり、荷室高を可変できると同時に、ボードを反転すると防汚シート面になり、拡大した荷荷室フロアの汚れを気にせず荷物を積み込める仕立てになっている。アウトド派にはうれしい配慮ではないか。
とはいえ、ソリオの荷室も使い勝手は優秀だ。5名分の機内持ち込みサイズのキャリーケース5個を積み込めるだけでなく、床下にも同キャリーケース1個がすっぽり入るサブトランクを備え、コンパクトカーとしてこれ以上望めないほどの積載力を備えているのである。
【先進安全装備比較】装備自体は五分五分もルーミーが一歩リード
では、現代のクルマに欠かせない先進運転支援機能はどうだろう。衝突軽減ブレーキを含む基本的な機能は両車ともに揃い、高速走行時のドライバーの負担を軽減してくれる全車速追従型のACC(アダプティブクルーズコントロール)も両車に用意されている。
ただし、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が付くのは、現時点でルーミーだ(スズキは全車種において、現時点で採用なし)。
【走行性能比較】燃費も静粛性もソリオの圧勝!! 買う前に絶対に試乗を
おっと、ソリオの風向きが悪くなってきた!? いやいや、まだ、肝心の走行性能について触れていない……。その点でどうかと言えば、筆者はソリオ優位と見る。何しろ、ルーミーは3気筒エンジン、ソリオは4気筒エンジンだ(気筒数がすべてとは言わないが)。
ルーミーを走らせれば、MCで厚みを増した前席シートクッションの良さを実感でき、中低速域の乗り心地はしっとりマイルド。誰もが運転のしやすさと快適感を実感できると思う。
しかし、高速域ではいきなり乗り心地が荒くなりがちで、エンジンを高回転まで回すシーンではこもり音が盛大で室内に充満する場面も。得意な走行シーンは街乗りの速度域、ゆったりした高速走行となる。
また、雨天走行時には後席にバックドア回りからの水しぶき音がこれまた盛大に侵入。とくに後席の人はそれが顕著に感じられるかも知れない。
一方、マイルドハイブリッドによる微力ながらもモーターアシストのあるソリオを走らせれば、コンパクトカークラスベストと言っていい、速度域を問わない乗り心地の上質さ、静かさに満足できる。
その理由は、ボディ剛性UPに直結する構造用接着剤を各所に用い、先代では前側だけだったサスペンションのウレタンブッシュを前後に奢っている。そして高応答タイプのダンパーを使い、リヤサスのストロークをUPするなど、徹底した走りの磨き上げが行われているからだ。
静粛性に関しても、すべてのピラーに発泡剤=バッフルを充填。リヤフェンダー内にライニングを追加するなどしてロードノイズを低減したことも大きい。実際、試乗中に大雨に見舞われた際も車内の静かさに大きな変化なし。
それはルーフに高減衰マスチックシーラーを用いたことで、雨がルーフを叩く音が低減されているからだろう。そしてエンジンを回したときのノイズレベルも小さく、ACCがなくても、快適な高速走行、長距離走行を楽しめるのである。
なお、WLTCモード燃費はソリオのマイルドハイブリッド車が19.6km/L、ルーミーのガソリンNAが18.4km/L、ターボ車が16.8km/Lと、さすがにマイルドハイブリッド優位となる。このあたりも評価の高さにつながっているはずだ。
また、ソリオは暑い日にうれしい、アイドリングストップ中でも一定時間、エアコンから冷風が送られるエコクール機能を備える。
よって、コンパクトトールワゴン、プチバン選びの際は、デザイン、室内、荷室をしっかりチェックするとともに、オールマイティに使うのなら、ある程度の距離の試乗も欠かせない。
【画像ギャラリー】ソリオvsルーミー!! 最大の違いは後席と荷室にアリ!?(15枚)画像ギャラリー
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