■たしかに納期長いけれど……2021年の実績は目標の10倍も生産していた
現行ジムニーの販売台数は以下の通りだ。
ジムニーはシエラも含め納期が1年なだけに当然ながら、登場から4年が経っても販売は増加傾向という絶好調である。そしてジムニーは年間販売目標台数の3倍近く、シエラに至っては10倍近くを供給していることにも感心する。
ただ、現場からは「いつまで経ってもバックオーダーが解消しない」、オーダーしたユーザーからは「いつ納車されるのだろう」という悲鳴も聞こえるのも事実である。
■ジムニーは燃費も快適性もイマイチ……それでも売れるワケとは!?
考えてみると日本においてジムニーやランドクルーザーのような悪路走破性を必要とする人はほとんどいないだろう。また、ジムニーはシエラを含め先代モデルより劇的に良くなっているものの、オンロードではコーナーでのロールが大きいという側面も。
また高速道路では直進安定性が良くなく、静粛性やシートの薄さも含め乗り心地は今一つなので快適性は高いとは言えない。そして燃費も良くないなど、弱点も多数存在するのだった。
それでもジムニーがこれだけ売れる最大の理由は「現実的な価格でプロが使うような本物、世界レベルのクルマに乗れる」ということなのではないだろうか。
「一度スーパーカーやランドクルーザーのようなSUV、アメ車に乗ってみたい」といった潜在的な気持ちがある人は少くないと思う。しかし、実際には価格やボディサイズなどで難しいというのが現実だろう。
その夢がジムニーであれば手の届く現実的な価格、小さな駐車スペースや軽自動車なら安い維持費で実現できるのだ。そして多少の不便や問題はあるにせよ、決定的なものではないだけに「とりあえず買ってみるか」という人も含めジムニーが支持されているワケだ。
また、ジムニーは「ジムニーを買ったらどこにでも行ける」「オフロードコースでのスポーツ走行をしてみたい」「多数あるアフターパーツでカスタマイズもしたい」といった、それまで体験したことがなかった新しい生活を切り開ける可能性を持つというのも魅力である。
ジムニーが持つ根源的な魅力に加え、ジムニーはボクシーなので見切りがよく運転しやすい、車内が意外に広い、伝統的にリセールバリューが高いので長い目で見れば安く付くといった点も、ジムニー人気を強く後押ししているのだろう。
ジムニー人気を見ていると、日本車にも「後先を考えず買ってしまう、何らかの強烈な魅力を持つモデル」が増えるのを期待したい。
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