■強い横風も余裕!! 先進安全装備の充実も購入した大きな理由
実際にフリードが愛車となって公道を走るようになるとリアサスペンション由来の高い直進安定性は高速道路での快適性につながっていることも実感した。東京湾を横断するアクアラインで強い横風が吹いているようなシチュエーションであっても、ミニバンだから横風に弱くても仕方がないと感じることは皆無だった。
さらに先進運転支援システム「ホンダセンシング」も標準装備で、車線を維持するLKASと先行車を追従するACCも備わっているのだから、高速移動が快適なのは言うまでもない。
ただしACCは全車速対応ではなく、25km/hを下回る渋滞時には機能キャンセルされてしまうのは、2016年時点では十分なものだったが、現在の基準からすれば不満もあるのも事実だ。
■フリードプラスならクルマ椅子を乗せても居住性変わらず
さて、シエンタとの比較でフリードを選んだ理由としては、パッケージの違いが大きかったのだが、そこについては、筆者が選んだのが車椅子仕様という特殊な事情があった。
フリードの2列シート仕様「フリードプラス」はラゲッジフロアが専用品で、斜めになっている。そのためカタログモデルでスロープ内蔵の車椅子仕様が用意されていた。
さらに車椅子仕様であっても2列目シートから前のエリアは通常モデルと同等の空間を維持しているため、日常的には5人乗りのスライドドア車としてストレスなく使え、車椅子の家人を乗せるときもスムーズに乗り込めるというのは、プライベートの福祉車両としては理想的なパッケージだったのだ。
というわけで、じつは老親が車椅子を使うようになったため購入したフリードだった。最初は母親、つづいて父親と相次いで車椅子を使っていたため5年ほど所有していたが、残念ながら二人とも故人となったこともあって、じつはフリードはすでに手放している。
ファミリーカーとしても気に入ってはいたが、車椅子仕様を求めているユーザーに使ってほしいという気持ちもあって福祉車両専門の中古車ショップに買い取ってもらったのだ。
そのお店の前を走るたびに気にしていたが、1か月もせずに店頭から消えたのを見て、ホッとしたのも事実。いまも、どこかで福祉車両として活躍していることを願わずにいられない。
■ガソリンモデルでも19km/L以上をマーク!! しかも加速はハイブリッドより上!?
フリードには、1.5L VTECエンジン+CVTのガソリン仕様と1.5Lエンジン+モーター内蔵7速DCTによるハイブリッドという2つのパワーユニットが設定されているが、筆者が選んだのはガソリンエンジン車。
その理由は、開発エンジニア氏に「ガソリンエンジン車のほうが、じつは加速が速いですよ」と教えてもらったことと、もちろん予算的な問題からの判断だった。そして、ガソリンエンジン車でも燃費性能に不満はなかった。
とくに高速巡行での燃費は優秀だった。巡行時にエンジン回転数を抑えるというCVTのメリットが活き、高速道路中心に300km以上走っても19km/Lを超える省燃費ぶりを示すことは珍しくなかった。
さらにいえば筆者が選んだのはFF車だった。前述したコンプライアンスブッシュが立派なアルミ製パーツでマウントされてているのはFF車だけで4WDではリアサスペンションの構造は異なっている。
降雪地域であれば必然的に4WDを選択することになるだろうが、雪道走行を考慮しなくていいのであれば、ガソリンエンジン車のFFというのが筆者の考える、現行フリードのベストチョイスだ。
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