今年8月に新型シエンタがフルモデルチェンジを受けるが、その直前の6月23日にホンダがトヨタをけん制するかのように、フリードの一部改良を行うという。
直近の5月の新車販売台数を見ると、モデル末期にかかわらず、フリードは6747台の4位、シエンタは7位の4262台と相変わらず売れているという状況だ。
本企画ではフリードの一部改良の内容と、次期フリードがどうなるのか、徹底解説する。
文/遠藤徹
写真/ベストカーweb編集部、ベストカー編集部、ホンダ、トヨタ
■人気のホンダ フリードが一部改良
ホンダはフリード&フリードプラスを一部改良し、6月23日に発表、24日に発売する。一部改良型のモデューロXは7月14日に発売する予定。
今回の改良は全グレードに撥水・防汚シートとCパッケージを設定し、高い質感と快適性を実現。タイプ数、ボディカラーの再編、特別仕様車「ブラックスタイル」の設定、同時にモデューロXの進化などが主なメニュー。
次期フリードは2023年秋にフルモデルチェンジする見通しで、今回が現行シリーズ最終の改良となるだろう。今回のフリードの一部改良は、ライバルであるシエンタが8月にフルモデルチェンジすることから、これに対抗させる狙いもある。
フリードの一部改良の内容を具体的に見ていこう。
これまで4WD車のみ設定されていた、プラズマクラスター付きフルオートエアコン、シートヒーター、ロールサンシェード、IRカット/UVカット機能付きガラス、コンフォートビューパッケージを装備したCパッケージをFF車にも標準装備とした。また最も安いBグレード(3列シート6人乗り)を廃止した。
ボディカラーは新3色全8色を設定。新色はフィヨルドミストパール、トワイライトミストブラックパール、プレミアムクリスタルブルーメタリックの3色で、代わりに廃止するのはシーグラスブルーパール、プレミアムクリスタルオレンジメタリックII、ミッドナイトブルービームメタリック、シルバーメタリックの4色。
ブラックスタイルはGグレードをベースに外装パーツや内装にブラック加飾を施した特別仕様車で3列シート6、7人乗り、2列シート5人乗りのフリードプラスを含め全グレードに設定。
外装はフロントグリルにクロスター系パーツを適用、ダーククロムメッキ、リアライセンスガーニッシュを採用。ブラック化はドアミラー、アウターハンドル、15インチアルミホイール。
このほか、ハイマウントストップランプは赤レンズをクリアレンズ化、LEDヘッドライトはアクティブコーナリングライトとした。
内装のブラック化は現行クロスターと同色のインパネ上部が白、インパネ木目色は現行Sパッケージと同色。シート色はシート表皮がGグレードと同じ。外装色はプラチナホワイトパールを訴求色にトワイライトミストブラックパール、フィヨルドミストパール、シルバーミストグリーンパールの4色を展開。
■モデューロXはフロントエアロを一新!
モデューロXは商品性が専用外観、内装、足回りで拘り層のユーザーを狙って仕立てている。フロントエアロを一新し、新たな空力デバイス導入による走行性能を向上、シート生地はスムース&スエード調の採用により、上質感を向上。
デザインは専用フロントバンパー、フロントグリル、15インチアルミホイール、エンブレムを装備。インテリアは専用のブラックシート、インパネミドルエリア、エアロカーペットで特徴づける。
走りは前後リフトバランスを最適化、直進安定性と抜群のハンドリングを実現。専用のフロントエアロバンパー、サスペンション、15インチアルミホイールスムース&スエード調のブラックシートで装備する。
カラーバリエーションは青系の色を変更。主要装備はナビありグレードのみをメーカーオプションで選べるようにする。
グレードのラインアップは3列シートのBが廃止となる代わりに装備を充実させた特別仕様車のブラックスタイルがフリード、フリードプラス、1.5リッターガソリン、同ハイブリッドに設定されるので、この分が増え、選ぶ範囲が拡大される。
車両本体価格はBグレードの廃止やCパッケージの標準化、装備の充実で5万円以上に値上げとなる。3列シートのガソリンNAは227万9500~288万400円、同ハイブリッドは263万3400~366万4400円。
フリードプラスはガソリンNAが236万6400~275万4400円、ハイブリッドは265万5400~308万4400円、ブラックスタイルはフリードガソリンNAが241万3400~280万430円、同ハイブリッドが269万9400~264万4400円、フリードプラスガソリンNAは233万5400~260万400円、ハイブリッドは272万1400~288万8400円。