新型クラウンは7月登場か!? FF化で賛否両論!! かつての憧れのクルマ「クラウン」はFRたるべきなのか!!?


 注目を集めているクラウンのフルモデルチェンジ。そのなかでも話題になっているのが、これまでFRを貫いてきたクラウンがFFになるということだ。

 そこで歴代クラウンファンからは「FF化されるクラウンは“なし”や」「べつにクラウンじゃなくてもいいでしょ」といったネガティブな声が多く見られる。どうしてFRじゃないクラウンには、これほど拒否反応が起こるのか?

 ここではFRにこだわったほうがよいこと、FFにしたほうがよいこと、といった利点と欠点を踏まえつつ「FFクラウンどうよ?」という考察を進めてみようと思う。

文/松田秀士
写真/TOYOTA
CG/ベストカー編集部

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■クラウンはかくあるべし!?  これまで貫いてきたFRだと生まれるメリット

 まずはFRにこだわるとよいこと。

 FRはフロントにエンジンを搭載して後輪で駆動する。このためエンジンの後ろに直結されるトランスミッションから延びたプロペラシャフトがフロア下を縦断して、リアアクスルに搭載されたデフ(デファレンシャルギヤ)に駆動を伝え、デフが入力を左右に分配してドライブシャフトを通して後輪を駆動する。

 また別の方法として、トランスミッションをエンジンとは直結せずにデフと一体化してリアアクスル上に配置するトランスアクスルという手法もある。そこでFRにするとよいこととは、前輪は操舵を受け持ち後輪は駆動を行う、というように操舵と駆動を別々のタイヤで行うことができること。

 というのも、タイヤのグリップ性能は縦方向(ブレーキ&駆動)と横方向(コーナリング)を合計したものがMAXとなるからだ。

2018年にフルモデルチェンジした15代目、現行クラウン。「6ライトウィンドウ」デザインを採用するなど、歴代クラウンのイメージを大きく変え、欧州メーカーのセダンに近い雰囲気を醸し出した。駆動方式はFR

 例えばMAXのグリップ性能を10とすれば、縦方向に10使うと横方向は0になり、縦5なら横は5。FFは前輪が操舵も駆動も行うので、常に縦と横方向のグリップが足して10の相関関係にある。

 FRの場合、リヤタイヤもコーナーリング中は縦+横のグリップを同時に使うが、前輪とは違ってタイヤそのものの操舵角がないのでより縦方向に使える。

 そしてFRの前輪は縦(駆動)を行わないから、より横(操舵してのコーナーリング)のグリップが高くなる。しかも前輪の操舵初期の応答感がナチュラルで早い。つまりFRはハンドリングが自然なのである。

 また、構造上エンジンを縦置きにするので、最も軽量化が困難な重いトランスミッションを車体の中心部付近にマウントすることになり、前後の荷重配分を50:50の理想値に近づけやすくよりナチュラルでスポーティーなハンドリングに、という利点も見逃せないのだ。

 その反面、欠点はというとフロントセクション(エンジン)で作った駆動力を後輪に伝えるためのプロペラシャフトなどの補器類が必要なため、部品点数が増え駆動ロスも発生し燃費に影響する。

 さらにトランスミッションが前席中央部にあるため、そのエリアのスペースが狭くなり、プロペラシャフト用のフロアトンネルも必要なためフロアが平坦ではなくなる。エンジンが縦置きなのでエンジンルームのスペースが長くなり、その分キャビンが狭くなる。

■電動化も視野に入れた現実解か!? FF化で生まれるメリット

 ではFFはどうだろうか?

 まずメリット(利点)だ。エンジンとトランスミッションをフロントセクションに納めることができ、なおかつ横置きに並列できるのでエンジンルームを縦方向に短くできる。このためキャビンの縦方向にスペースを広げられる。プロペラシャフトが必要なくなるのでフロアをフラットに設計できる(一部の四駆を除く)。

 またエンジンと並列のトランスミッションにデフを組み込み、そこからドライブシャフトを前輪に繋げるので、エンジン出力軸(クランクシャフト)と平行軸にドライブシャフトを出すことができ駆動伝達ロスが小さい。つまり燃費がいい。

 エンジンと駆動するタイヤが近いのでアクセルワークに対するダイレクト感も高い。雪道など滑りやすい路面ではエンジンなど重量物がフロントにあるので、フロントタイヤのトラクションが大きく、上り坂などで空転しにくい。

フルモデルチェンジする新型クラウンは、FF化され、ボディサイズは全長4900×全幅1860×全高1450mm前後となりそうだ(画像はベストカー編集部による予想CG)

 ではデメリット。駆動と操舵の両方を前輪が受け持つので前輪の負担が大きく、アンダーステアーを誘発しやすい。フロントタイヤの摩耗が早い。前輪にドライブシャフトが繋がるので操舵切れ角を大きくできないから最小回転半径が大きい。

 ほとんどのコンポーネンツがフロントに集中するので、前後荷重配分でフロントヘビーとなりリヤブレーキの仕事量が減りフロントブレーキの負担が増す。またハンドリングにも悪影響を及ぼす。

 実はFF化のメリットの中でプロペラシャフトを持たないからフロアをフラットにできる、ということがこれからのクルマに大きなメリットをもたらすのだ。

 それは、これからのクルマが背負う電動化というテーマ。重いバッテリーを床下に敷き詰めるとき、フロア下がフラットであればあるほど大きなバッテリーを効率的に収めることができる。このことを念頭に開発する時、FF化は避けられないアーキテクチャーなのだ。

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